「ここは概要欄ではありません」
私は須郷 匙(スゴウ サジ)、転生管理局の窓口担当者。
私の仕事はこのふかふかな椅子に座り、転生届の不備をチェックし、判子を捺し、他の課か来訪者に手渡すことだ。
窓口担当が"ブラック"と呼ばれる割には楽な仕事だと思っていた。実際、研修期間は目の死んだ職員が渡したひと束の書類を纏めて、たまに仕事を後ろから眺めるだけで良かった。
私が騙されたと気付くのは研修が終わってすぐだった。万歳をしながら窓から飛び出していった先輩のことを、今でも少し恨んでいる。
私の仕事はこのふかふかな椅子に座り、転生届の不備をチェックし、判子を捺し、他の課か来訪者に手渡すことだ。
窓口担当が"ブラック"と呼ばれる割には楽な仕事だと思っていた。実際、研修期間は目の死んだ職員が渡したひと束の書類を纏めて、たまに仕事を後ろから眺めるだけで良かった。
私が騙されたと気付くのは研修が終わってすぐだった。万歳をしながら窓から飛び出していった先輩のことを、今でも少し恨んでいる。
異世界役所の記録帳
2018/03/30 23:17