弩号一型潜水艦
全長:二〇三.七米
全幅:二〇米
速力:水上二〇.二節
水中八.二三節
主砲:一四糎連装砲
魚雷:六一糎酸素魚雷五十本
(艦首四基、艦尾二基)
機銃:一七粍四連装対空機関銃四基
(一六挺)
艦載機:七五式水上戦闘機三機
七三式水上爆撃機五機
・弩級潜水艦計画
潜水艦は、高度な技術がないと、建造出来ない。大型のものほどより高度な技術が必要とされる。
帝国の伊号潜水艦は、他国の大型潜水艦よりも、さらに大きい。伊号最新鋭の伊-220は、全長132mである。
しかし、年々とその差は縮まっている。例えば、連邦海軍。先日、進水した―ヴィーウェ級と称していた―は、伊号潜水艦とほぼ同等の大きさであった。
『このままでは、追い抜かれてしまう。外交で優位に立てなくなるのではないか。』
上層部は不安に感じた。
そこで、伊号潜水艦をも遥かに凌ぐ大きさの艦を計画したのである。伊号よりも大きい為、分類は『弩号』とされた。
全長は、200m以上。魚雷は七一式魚雷を合計50本、艦首に発射管を四基、艦尾には二基。航空機を多数運用可能で、カタパルトは一基のみ。主砲として14cm連装砲を二基有し、砲塔内は完全に密閉、艦体を晒さず、海面から砲身を出しただけで撃てるものとし、水中でも旋回可能なものとする。速力は、水上20kt以上、水中8kt以上。
艦体の設計、及び建造と並行して主砲の開発も開始。それに加え、航空機の選定が行われた。
艦体自体は、それまでの伊号潜水艦をそのまま拡大したようなものである。しかし、甲板の造りは、まったく違ったものとなった。
従来通り、中央部に艦橋があり、格納庫にぶつかっている。艦橋は、左舷に飛び出た形にされているが、空母を意識したものだろうか。設計者の好みらしいが。
格納庫から、艦尾にかけて、カタパルトが一基、設置されている。前方ではなく、後方に、だ。では、前方には何があるのか。
前方には、二基の主砲が搭載されている。主砲には段差が設けられていない。この砲は、軍の要求通り、砲塔内が完全に密閉されており、水中での旋回、潜航時の砲撃が可能である。
・運用
200mを越す艦体は、技術的には高度であるものの、戦術的には、非常に扱いづらい。
速力は20kt以上あるが、足が遅いことにはかわりない。重巡洋艦並の大きさを誇る艦体は、運動性が悪く、攻撃を受けやすい上、潜航にも数分を要する。
結局、艦隊に居ても邪魔だからと、お召し艦として、外交のみで使われることとなった。
技術的には凄い。
広く、大きな艦体を持つので、輸送船としての能力は、今でも期待されている。
艦橋は、伊-14のイメージ。