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37 カミナリのチカラ

 アクセス、ブックマークして頂きありがとうございます!!


 前話の続きになります!

 カミナリ、ビリビリです!


 楽しんで頂けたら幸いです!!

 





 雷魔法の魔力の流れは、一言で言えば雷そのものだ。雷鳴を(とどろ)かせ、貫く落雷の如く魔力を流す。激しく、そして速く。何よりも、その力強さをイメージをする。


 ただし、今は(まと)うことを意識する。


 あ、結構難しい……流れが激しいから制御しにくい。


 流れの制御を意識し過ぎれば、魔力の流れ自体が(おろそ)かになり雷魔法として発動できない。逆に、制御への意識を減らすと、お母さんのように雷を纏うことはできない。


「難しいか? ユーリ」


「うーん……もう少しで、できそうな気がするんだけど」


「そうか……私はユーリのように、魔力の流れを見ることはできない。だから、直接的な指摘はできないが……コツなら教えてやれるぞ」


 コツ? ぜひとも聞きたいっ!!


「それはな……雷を纏うのではなく、全身に雷を走らせるんだ!」


「雷を走らせる……!!」


 わかったかも! 纏うじゃなくて、走らせる。


 俺は思考を一新する。激しく、速い。そして力強いのは変わらないが、抑えつけるのではなく勢いのままに流すことにする。


「……(ビリッ、ビリビリ、ビリビリビリ……)」


「よし、その調子だ! ユーリ!」


 うん、いい感じだ。このまま出力を上げて……


 ――『サンダーフォルム!!』


 瞬間、迅雷(じんらい)の如く俺の体に(いかずち)が走る。


「できた! お母さん、俺できたよ!」


「すごいぞ! ユーリ。私が習得したときは、3ヶ月ほどかかったんだがな」


 そ、そうだったんだぁー。俺、2、3時間くらいで習得しちゃった……。てへっ。


 俺は魔法の効力を確かめるべく、軽く走ってみることにする。


 よーい、どんっ!


 10メートル程度、走ろうと思っていたのだが、結果はその5倍以上の距離となってしまった。


 え? 何、このスピード……。50メートル走1秒って……あ、そっか。魔法だもんね! これ、普通だよね!


 お母さんの声が遠くから聞こえる。走ったせいで離れてしまった。


「おーい、ユーリー。こっちに戻ってこれるかー?」


「あ、ちょっとまっててー!」


 軽くだ、軽く。かけ足くらいで行こう。


 俺は力を抑えながら、一歩を踏み出す。今回はコントロールが上手くいき、走りながら景色が見える程度にできた。と言ってもその速さは人間が出せる速度ではない。


「コントロールが効くようになってきたな。それにしても、あの速さはすごかったぞ!」


 あ、あは、あはははー……やっぱり、普通じゃないだ。まぁ、初めて使ったし、しょうがないよね!


「これを使いこなせれば、戦術の幅も広がるはずだ」


「うん! 俺、頑張るよ」


「ふふっ、それでこそユーリだな」


 よし、もっともっと魔法を使いこなせるようにしよう!


 魔法の可能性は無限大だと言える。術者のイメージ次第では、その力に1と10、1と1000の差が生まれることも、ないわけではない。


 あらゆる方面から魔法について考える。ある意味、魔術師としての本題とも言えるだろう。


 俺は魔法に憧れていた。しかし、今はその魔法が現実に存在する。地球(マエのせかい)に縛られず、異世界(イマのせかい)だからこそできることをしたい。


 何故、ここまで魔法にこだわるのか。それはとても単純な理由だ。






 ――だって、魔法が好きだから。






 次の更新は11月25日(金)予定です。

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