王都到着
俺は、護衛にマクベスとほかに2人の護衛を伴って例の招待状に参加するため王都に向かった。
公爵領の王都へ向かう街道が新しく大きく広げ整備されていた事によって2日ほど早く着いてしまった。
到着すると都自体が王女の誕生日会で沸き立っているように感じられ案の定、どこも誕生日会のための食材や贈物の搬入で忙しそうだ。
貴族関係者だけでなく、平民たちも楽しそうにしているところを見ると副次的な利益に喜んでいるのかもしれないが、子供達も楽しそうにしているので王女は人気者なんだなぁ。
まぁこんなに慕われていてもそのうち、反旗を翻えされるのは間違いないだろう。情が湧かないようにしないと。
☆☆☆
「申し訳ございません。ただいま満室となっておりまして……」
「そうですか。わかりました。他を当たってみます」
こうして、断わられること数軒。どこの宿屋も誕生日効果で一杯のようだ。
「クリス様。このままでは日が暮れてしまう。手分けして探しましょう」
そろそろ、日が落ち始めてきたところだ。早いうちに宿を見つけておきたい。
「わかった。それじゃあ二手に分かれよう」
「いえ、4人バラバラで分かれてあそこの飯屋に集合しましょう!」
は?何言ってるんだこいつは。
どこに子爵1人で宿を取りに行かせる従士長が居るんだ。
「いや、1人くらいは護衛しろよ」
「大丈夫です。クリス様。今のクリス様を見れば貴族だなんて思いませんて。それに、何かあっても正直大丈夫です」
マクベスが目を細め誇らしそうに答える。
いや、そんな誇らしそうにされても…
「確かに今の僕は旅装束をしてるから旅人にしか見えないけどどっからその自信は来るんだよ……」
「クリス様は3歳の頃からユリス様じきじきに毎日欠かさず鍛練されております。むしろ外部の人間の実力を知るいい機会かも知れませんので一度襲われてみてはいかがですか?」
「確かに領外の人間とは戦ったことはないけど僕はまだ14歳だぞ!それに、たった30人のろくに訓練設備の無いとこに居る兵にすら立ち合うとちょこちょこ負けるんだぞ!余計不安になってきたわ!やっぱ4人で行動しよう!」
と言うとマクベス達は本当に可笑しそうにして笑った。
「いや、坊ちゃんやっぱり襲われとくべきですって」
「俺たちは確かにたった30人の兵だけど案外やるんすよ」
「それに、宿さえ見つかればクリス様にはまだ早いところに行きたいんですよ。では」
と言って3人がニヤニヤ笑いながら去っていった。
俺は必死で追いかけたが簡単にまかれてしまった。
くっそ。絶対そういう店行きたいだけだろ。俺も連れてってくれよ!





