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パーフェクト・ナンバー  作者: なつ
第二章 三十六枚銅貨
10/33

 5

  一枚銅貨は空を飛び、くるりくるりと向きを変え、かの人の手に収まり行く。

  二枚銅貨はかの人と、タップを踏んで、トンタンタン。

  幸せ幸せと顔を寄せ、そっとキッスをその口に。

  三枚銅貨はただ一人、行く末も先も分からぬが、

  その旅路を孤独に、歩み続けて、早十の五倍、

  ついには光の御胸へと、安らかなる声で、歌うのよ。

  四枚銅貨は輪になって、くるりくるりと転がって、まだかまだかと歌うとか。

  真ん中に席を開けておき、かの人のためにと、笑うとか。

  だけどいつになっても現れない。

  だけどくるりくるりと永遠に、ただただ転がり続けます。

  五枚硬貨は意地悪で、誰に彼にも、あっかんべ。

  笑う角には福来ると、角の変わりにナイフを渡す。

  けれど本当は寂しがり、歌を謡って、紛らわす。

  いつも五枚でごろごろと、心通わぬ、その歌を。

  最後は五枚重なって、さよならさよなら、嘘だけど。

  六枚銅貨は寄せ集め、彼を造る四つの調べ。

  お尻をすべて掛け合わせ、狂った数字の協奏曲。

  だけど大事な六枚の、最後の行は失われ、

  旅に出たと、かの人は言う。

  どこへ行っても六枚は、最後の最後に現れる。

  七枚銅貨は子供たち、生んだも生んだ、七人目。

  あっちでえんえん、こっちでえんえん、ママもママでえんえんと。

  家は毎日ぎゃーぎゃーぎゃー、パパはどこかへ行っちゃった。

  だけどいつもわいわいわい、どこもかしこもわいわいわい。

  楽しいけれど、くたくたで、夜にはみんなでぐーぐーぐー。

  ママも一緒にぐーぐーぐー。明日は明日でわいわいわい。

  だけどえんえん、わいわい、ぐーぐーぐー。

  八枚銅貨でさようなら。

  彼らはいつも八桁を、立っては座って数えてる。

  一人が立って、一人が座る。一人が立って、一人が座る。

  一人が座って、一人が座って、一人が立って、一人が座る。

  今日はどんな並びかと、八枚銅貨は相談事。

  よしそれなら、こうしよう。

  立って、座って、座って、立って、

  立って、座って、座って、立って。

  立って、立って、立って、座って、立って、立って、座って、立って。


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