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一枚銅貨は空を飛び、くるりくるりと向きを変え、かの人の手に収まり行く。
二枚銅貨はかの人と、タップを踏んで、トンタンタン。
幸せ幸せと顔を寄せ、そっとキッスをその口に。
三枚銅貨はただ一人、行く末も先も分からぬが、
その旅路を孤独に、歩み続けて、早十の五倍、
ついには光の御胸へと、安らかなる声で、歌うのよ。
四枚銅貨は輪になって、くるりくるりと転がって、まだかまだかと歌うとか。
真ん中に席を開けておき、かの人のためにと、笑うとか。
だけどいつになっても現れない。
だけどくるりくるりと永遠に、ただただ転がり続けます。
五枚硬貨は意地悪で、誰に彼にも、あっかんべ。
笑う角には福来ると、角の変わりにナイフを渡す。
けれど本当は寂しがり、歌を謡って、紛らわす。
いつも五枚でごろごろと、心通わぬ、その歌を。
最後は五枚重なって、さよならさよなら、嘘だけど。
六枚銅貨は寄せ集め、彼を造る四つの調べ。
お尻をすべて掛け合わせ、狂った数字の協奏曲。
だけど大事な六枚の、最後の行は失われ、
旅に出たと、かの人は言う。
どこへ行っても六枚は、最後の最後に現れる。
七枚銅貨は子供たち、生んだも生んだ、七人目。
あっちでえんえん、こっちでえんえん、ママもママでえんえんと。
家は毎日ぎゃーぎゃーぎゃー、パパはどこかへ行っちゃった。
だけどいつもわいわいわい、どこもかしこもわいわいわい。
楽しいけれど、くたくたで、夜にはみんなでぐーぐーぐー。
ママも一緒にぐーぐーぐー。明日は明日でわいわいわい。
だけどえんえん、わいわい、ぐーぐーぐー。
八枚銅貨でさようなら。
彼らはいつも八桁を、立っては座って数えてる。
一人が立って、一人が座る。一人が立って、一人が座る。
一人が座って、一人が座って、一人が立って、一人が座る。
今日はどんな並びかと、八枚銅貨は相談事。
よしそれなら、こうしよう。
立って、座って、座って、立って、
立って、座って、座って、立って。
立って、立って、立って、座って、立って、立って、座って、立って。




