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〇〇〇

 オレンジジュースを飲む。次に、ハルシオンという睡眠導入剤を飲む。

 するとたちまち眠たくなって、私は夢に彷徨いこむ。

 怪我を重ねていくごとに、私の治癒力は強まっていった。そうして今は、一睡もせずとも、何週間も疲れを感じない体になってしまっていた。パートナーと一緒にいるときなら、彼女の寝顔を見て楽しんでいればいい。一人でいるときでも、受験生なりに、勉強をすればいい。そうやって眠れない夜を潰している。

 何週間かの間隔で見る夢は、いつも同じ夢だ。

 ――私が死ぬ夢だ。

 今の治癒力では、ミキサーでも死ぬことはできないこの体が、糞尿にまみれて死ぬ夢だ。

 この夢を見始めたのは高三になってからだが、なぜだろう、それよりも前に、全く同じ夢を見た気がするのだ。デジャブというべきか。夢にデジャブなんてものがあるのか、私には分からない。だが、いつか見ていたような気がしてならないのだ。

 いつしか私は、薬を飲んでまで見たいほどに、その情景に魅入られてしまっていた。彼女がいるかぎり死ぬつもりはないが、手が届きそうにないそれは、私を眠りに誘い込んでいた。

 夢の中で意識が朦朧としていき、爽快な朝を迎えるのだ。その爽快が死の情景によるものなのか、ハルシオンによるものなのかは、もう分からない。

 ただ死んでから迎える朝というのは、なんというか、繰り返される歴史を思い起こす。私の人生が、何度も何度も繰り返されているような感覚だ。勿論そんなことはなく、私のパートナーも、私も、歳をとる。パートナーの髪だって、もう肩にかかるまでに伸びている。

 この夢はきっとぐだぐだと、私に纏わりついてくるのだろう。

 それが私だけならいいのだが。

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