『【最後の時間】』弐ノ段
士桐先生が、出ていってからしばらくして再びチャイムが鳴り響いた。
一時間目の始まりを告げるチャイムだった。
鏤飢、篦菊、詩乃の三人は休み時間の間なにも喋らなかった。
【一時間目・・・始まったね・・・】
「殺し愛の詳しい説明をするって言ってたよね先生」
『うん・・・』
篦菊が、返事をすると三人の間には沈黙が生まれた。
ガラガラ!
突然、教室のドアが開けられた。
開いたドアの先にいたのは士桐先生ではなくマシンガンを持った見知らぬ男子生徒だった。
「やぁ、一年生の皆さん俺は三年の井崎先輩だ。一年生は、まだ殺し愛の説明を受けてないと思うから先輩が易しく教えてやるよ!」
井崎という名の先輩は「殺し愛」について喋りだした。
「「殺し愛」は、日本政府が人口を減らすためにために発令した行事だ。この学校では全校生徒が42人以下になるまで殺し合いをさせるらしい。そこで俺は、考えた全校生徒を減らすためにはどうしたらいいかをそんで思いついたんだ弱い奴から殺していけばいいことにな!」
井崎は、喋り終わると同時にマシンガンを発砲した。
放たれた弾丸は詩乃の胸を貫いた。
「えっ?」
『【!!】』
ガタン!
椅子と共に倒れる詩乃。
『【詩乃ちゃん!】』
「鏤飢・・篦菊・・・私・・射たれちゃった・・・」
『喋っちゃだめ』
【いや、喋り続けて意識を保って!】
「そうしたいんだけど・・・もう・・喋るのも・・・ゴホ・・・」
詩乃の口から血が溢れだした。
「鏤飢・・・篦菊・・・二人に・・お願いが・・あるんだけどきいてくれる?」
【うん・・・】
『なんでもきくよ・・・』
詩乃は、鏤飢と篦菊の顔に手を当てながら言った。
「必ず・・・生き残って・・・」
詩乃の手は力なく落ちた。
「何ドラマみたいなことやってんだよ!」
井崎が、鏤飢と篦菊に向かってマシンガンを発砲した。
しかし、弾丸は鏤飢と篦菊には当たらなかった。
鏤飢と篦菊に当たるはずの弾丸は全てある二つの物が防いだのだ。
弾丸を防いだのは、鏤飢の腕が隠れる程大きなコートの袖からでも確認できる鏤飢の右腕から出ている大剣と、篦菊の腕が隠れる程大きなコートの袖からでも確認できる篦菊の左腕から出ている巨大な銃によって防がれた。
「な、何だよそれ!」
『【許さない・・・】』
「えっ?」
『【詩乃を射った事を】』
【鏤飢は!】
『篦菊は!』
『【許さない!!】』
「な、何だよ一年が!」
タンッ!
再び放たれる弾丸を鏤飢と篦菊は左右に跳び避けた。
鏤飢と篦菊以外の生徒は皆二回目の発砲の時に教室から出ていっていた。
「う、うゎゎゎゎ!」
井崎は、デタラメにマシンガンを放つが一発たりとも鏤飢と篦菊には当たらなかった。
ドンッ!ザシュ!
篦菊の弾丸は井崎の腹を吹き飛ばし鏤飢の斬撃は井崎の首を跳ねた。
井崎を殺した後。鏤飢と篦菊は詩乃の遺体を保健室のベッドに寝かしていた。
【詩乃ちゃんここで待っててね・・・】
『必ず迎えに来るからね・・・』
キーン・コーン・カーン・コーン・・・
三時間目の終わりを告げるチャイムが保健室に鳴り響いた。
【行こう篦菊・・・】
『うん・・・』
鏤飢と篦菊は、会議室に向かって歩き出した。鏤飢と篦菊が会議室に向かった理由は生徒がたくさんいそうなとこに行き生徒の数を減らして早く殺し愛を終わらせるためだった。
【井崎って人は確か殺し愛が終わるのは全校生徒が42人以下になったときだって言ってたよね?】
『ここには、何人位の生徒がいるのかな?』
鏤飢と篦菊は、武器を持った何人もの生徒の前で喋っていた。
「何だこのガキ共は?」
【人は、いっぱいいるけどみんな弱そうな人ばっかりだね】
『楽しめそうにないね』
「な、なめやがって!全員でやっちまえ!」
鏤飢と篦菊は、大剣と巨大な銃を並べて叫んだ。
『【Clock and time of iron 鉄の時計と時間】』
鏤飢と篦菊は、前方に向かって跳んだ。
「おら!」
男子生徒が降り下ろした釘バットを鏤飢と篦菊は、左右に跳んで避けた。
【では、ここで鏤飢と!】
『篦菊の自己紹介です!』
【鏤飢の名前は血飛沫鏤飢です!】
ザシュ!大剣による回転切りが生徒を二つに分け断面からは大量の血が噴き出した。
『篦菊の名前は血飛沫篦菊です!』
ドンッ!篦菊の放った弾丸は一人の生徒の頭を吹き飛ばしあたりに大量の血が飛び散った。
『【どこからともなく現れて♪】』
踊るように駆け巡る鏤飢と篦菊。
『【血の海残して去っていく♪】』
走る斬撃。飛び回る弾丸。飛び散る鮮血。
『【我ら双子の鏤飢篦菊ツインズ♪】』
鏤飢と篦菊は、武器を持たない手を繋ぎ回転しながら斬撃と射撃を行う。
『【お呼びとあらば颯爽登場♪】』
鏤飢と篦菊は、遠心力によって浮いた足を地面に着けて回転を停めた。
『【よろしくね♪】』
鏤飢と篦菊は、武器を持たない手を繋いだ状態で武器を持った手を挙げた。
「なんなんだ!このガキ二人はめちゃくちゃ強ぇぞ!」
ドシュ!
「がっ・・・」
最後まで叫んでいた生徒は鏤飢の大剣に胸を貫かれた。
ビュッ!
鏤飢は、大剣を振るって付いていた血を払った。
【終わっちゃたね】
『今ので何人位殺したかな?』
【26人位じゃないかな?】
『まだそれだけか・・・』
篦菊が、肩を落とした時だった。
ぐゅる〜〜
鏤飢と篦菊のお腹が鳴った。
【お腹減ったね篦菊・・・】
『お腹減ったね鏤飢・・・』
【鏤飢、蔭お兄ちゃんのお弁当食べたいな〜】
『篦菊も蔭お兄ちゃんのお弁当食べたいな〜』
鏤飢と篦菊が、校内放送が流れた。
ピンポンパンポーン
「あ〜テステス、え〜生き残ってる皆さんおめでとうございます♪」
【誰の声だろ?】
『知らない先生の声だね』
「現在霧雨中学校の全校生徒はなんと「84人」です皆さんよく頑張りましたね♪。
しかし、84人では多いので残り半分になるように皆さんにもう少し殺し愛をしてもらいます♪生徒数が半分になったら殺し愛は終わりです、次になるチャイムが「殺し愛」終了の合図ですから忘れないようにしてくださいね皆さん最後まで頑張って下さいね〜」
【あと、84人か〜】
『まだ、結構いるね』
【詩乃ちゃんとの約束もあるしね・・・】
『うん・・・』
バンッ!バンッ!バンッ!
突如、鳴り響いた複数の銃声と共に篦菊の体は貫かれた。
『うっあっ・・・』
【篦菊!】
倒れる篦菊、駆け寄ろうとする鏤飢を・・・
ザクッ!
【えっ?】
ザクッ!ザクッ!
複数の刃が後ろから貫いた。
【ゴフ・・・】
鏤飢は、血を吐きながらその場に崩れた。




