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第三話 崩れゆく舞台裏
週末の生配信は透にとって勝負の場だった。
「みんな、心配かけてごめん、じつはさぁ・・・・」
彼は笑顔で炎上を笑い飛ばすように語ってみせた。
コメント欄には「最高」「逆境も味方につける天才」・・・と称賛の山。
しかし、配信を終えたあとの胸の奥は、空っぽの抜け殻のむなしさだけが、キズアトのように、残っていた。
数日後、予定されていた大企業とのコラボ企画が突如中止となる。
「イメージの問題で・・・」とメールに書かれた一文が透の指先を冷却させた。
フォロワーの減少はじわじわ降下を進む。その夜美咲が突然アパートを訪ねてきた。
「透、ホントはどんな気持ちなの?」
リビング薄暗い照明の下、美咲の瞳は真剣だった。
透は一瞬、弱音を吐きだそうとしたが、
「平気だよ、俺こーゆーの慣れっこだからさぁ」
と、また笑顔の仮面をつけてしまった。
美咲は透を見つめたあと、そっと一言だけ残して帰った。
「その笑顔、昔の透じゃないわよっ・・・」
閉じたドアの向こうで透は笑顔を崩し机の上の台本を握りしめた。
ーーーどこまでが嘘で、どこまでが、自分なのか?ーーー
その境界線が急速に溶けていくのを感じていた。




