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軍主主義の独裁者  作者: イチゴボール
2/5

食料問題

「よろしいですか。」

「ああ。」

「失礼します。上官からの通達で、食料問題に対する打開案を考えるようにと。」

「分かった。資料は机に置いたとてくれ。」

「それにしても…食料問題か…」

俺は一旦資料に目を通すことにした。

「ん?」

ふと気づいた。資料には書かれていない数値が見えていることに。

資料には土地と納めている米の量が書かれている。が、俺の目には、土地の広さと人口、それを元にした納めている割合が見える。そうか…これが転生した時に付いている特典か…。名前つけた方がいいよな…〇〇者とかよく言うよな…そうだ、このスキルの名前は、『独裁者』でいこう。今日、フラム・アスラータはスキルを手に入れた。

「さてと、」

食料問題に挑む。どうするか…

人が1番真剣に取り組む時は、恐怖を与えている時だ。ならば恐怖を与えればいい。

「おい、打開案が思いついた。」

「おお、さすが、アスラータ様。」

俺はアンティークの椅子から立ち上がる。そこまでま広くない部屋で、部屋にいるのは俺と目の前の従者ガルロである。

「で、その打開案とは…」

「ああ、農民の家を焼く。」

「は?…それはどう言う…」

「言葉の通りだ。去年の米の生産量が村で1番低い場所を燃やす。そうすれば農民たちは恐れ、必死に働くだろう?」

まさに悪魔のような、独裁者の発言。しかし、一理ある。

「分かりました。一応報告しておきます。」

「おっと、一つ付け加えることがあった。絶対に農民は巻き込むなよ。」

「はっ!」


その日は何やら外が騒がしかった。

「なんだ?」

部屋の外に出てみると、そこには、この国の王がいた。

「え?」

俺はすぐに片膝をついた。

「よい。」

「はっ、」

「今日は貴殿に用があってきた。貴殿を第零大隊の隊長にする。」

「零…?」

「ああ。これから起こりうる戦争を未然に防ぐ大隊だ。」

「ガロ王国からの許可は…」

「ない。完全機密だ。」

「なるほど。承知しました。」

俺がそう言うと、俺に背を向け部屋を出て行った。

「未然に防ぐ…」

俺はこれから何をしたらいいのだろうか。

翌日、俺はこの地方参謀本部通会所を後にした。


ついた。ここで合ってるのかな…

そこは、広いアスファルトの地面が広がっていた。

「どこに行ったらいいんだろう…」

すると、目の前から30人ほどの軍服に身を包む兵士が現れた。

(何だ…?)

「敬礼!」

兵士たちは俺を挟むように二列に並び、一番端の男が言った。

「我々、第十九部隊。総員32名であります。」

あ、俺の部隊か。などと呑気なことを考えているアスラータである。

「了解した。下がってよし。」

「「「失礼します!」」」

隊員達の声が響き渡った。

(ああ、揃った声とは何と気持ちいいものなのだろうか。)

「さてと。行くか。」

こうしてアスラータの独裁人生が始まった。


軍部の登録上、ガロ帝国には、ただの新規の軍として登録するしかなかった。その為、零ではなく、十九となった。

次回「植民地」

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