レベルアップ
「この連載作品は未完結のまま約半年以上の間、更新されていません。
今後、次話投稿されない可能性があります。予めご了承下さい。」
なら投稿してやろうか、という訳で半年振りの更新です。
昨日に引き続き、3階層にてモンスターと戦闘を行う。
幾度となく繰り返す内に、ふと剣が軽く、体の動きが素早くなったのを感じる。
「これがレベルアップか……」
レベルアップ現象。
言わず知れた言葉だが、発見当時は大いに沸いた。
ゲームでしかあり得なかった事が現実となったのだ。
それはもう凄かった。その年の冒険者数は過去最多。今現在でもその数を越えることは出来ない程に当時の人々に夢と希望を与えた。
とは言っても、ゲームみたいなステータス画面はないため身体能力の向上でのみ実感できる。
レベルアップに掛かる時間は人によって異なり、数匹倒しただけで上がる者もいれば、10匹以上倒して上がった者もいる。
この現象は未だに研究されているが、解明には至らず。
判明した事と言えば、モンスターから発生する未知のエネルギーを一定量吸収することで発生する現象であること。
身体能力の向上の差は人によって異なるが、おおよそ2倍上がること。
強いモンスターを倒すことでレベルアップが早くなること。
そのエネルギーを吸収しレベルアップした者の中には魔法を会得した者がいること。
それにより未知のエネルギーは魔力と名付けられ、今現在もっとも活発に研究されていることだろうか。
色々いったが、とにかく便利な力ということだ。
モンスターを狩るのは一時的に止め、敵のいない場所で剣を正眼に構えて息を吸う。
「ふぅ」
目を瞑り、脳内で動きをインプット。ゆっくりと目を開き、一息。
「はっ!」
風切り音が鳴り、目の前を十字の煌めきが過ぎ去る。
あとに残るは変わらない景色だけ。剣を納刀し、自らの手を見下ろす。
「これは凄いな、思っていた以上だ」
胸に湧く高揚感。今ならなんだって出来そうだと、陶酔さえ感じてしまう。
これは律するのが大変だと苦笑する。
「安全第一だ。命は1つしかないんだから」
言い聞かせるように声にだし、1度大きく息を吸い、吐く。
これで落ち着いた。改めて探索をスタートをし、少しあと。
数メートル先にいるコボルドの姿を発見した。
数は2匹。まだ気づかれていないのを確かめ、素早く走りだし背後に接近。
まだコボルドは気づいていない。無謀な首目掛けて持ち上げた剣を振り下ろし、袈裟斬り。
ドバッ!と血が吹き出し、チリとなって消えて行く。
そこでようやく気づいた片割れのコボルドが声を上げるが、すでに遅く。その体は振り上げられた剣により両断される。
断末魔を上げる暇もなく消えて行く光景を見終え、他に敵がいないかを確認してからアイテムを回収する。
「今日はここまでとするか」
アイテムの詰め込まれた袋はだいぶ重くなっており、これだけでちょっとした贅沢ができる金額になる。
久しぶりにお高い酒でも飲むのもありだな。
散財はダメだと分かってるが、レベルアップした記念だからと、甘い基準で財布の紐を緩める。
これだから貯蓄が貯まっていかないんだと、冷静な俺がいうが、無視だ、無視。
冒険者は少しぐらい散財するものなんだと言い訳をして帰路に着く。
一応、しばらくはこっちに集中するつもりです。
いま、3つぐらい掛け持ちしてまして。気分によって書くものを変えてるんですよね。
今回はこっちの気分だったので、しばらくは書くつもりです。