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現代ダンジョン冒険譚  作者: 冬空
ソロ編
5/22

日常

一二三四(ひふみよ)――初日にしてはまぁまぁの成果かな?」


風呂上がり、リビングでゆっくりしながら今日の報酬を確認。

コボルドを倒せた事もあり、初心者の1日の稼ぎとしては上々。

今日の様子を見る限り明日以降も3階層にて狩りをするのもありだろう。

もしくは他のダンジョンにするか。

この近辺で初心者でも挑めるダンジョンはあっただろうか?

気になりネットで調べると秩父、八王子等の電車で行けば通えるダンジョンがヒットした。

この中から次に行くダンジョンを決めようか?


「いや、今は取り敢えずダンジョンは替えずに行こう。行くにしても、もう少し経験を積んでからかな?」


明日の予定を考えつつ数え終えた金を封筒に仕舞う。

後の時間は酒でも飲みながら映画でも見よう。

二日酔いにだけは気を付けつたいと思いながら、楽しい一時はあっという間に過ぎさり朝。

眩しい光に目が覚めた俺を襲ったのは体の痛み。

原因を探すべく辺りを見回すとすぐに気が付いた。


「あ~――ソファーで寝落ちしたのか、俺」


そう言えば酒を飲んだ後の記憶がない。

酒に弱いつもりはなかったが、度数の高いお酒でも飲んだろうか?

気になりテーブルを見るが、そんな物は無さそうだ。


「頭をぶつけた衝撃で記憶が吹き飛んだとか?…………そんな訳ないか」


真相は闇の中。

痛む体を起こし、朝のルーティンを熟す。

昨日の残りで作った朝食、冒険者になるべく続けた鍛練、冒険者関連の最新情報など。

内容は変われど、その行動は会社員時代と変わらず。

そんな事にふと気付いた俺は思わず苦笑する。


「前は話題探しにその日の天気を調べていたっけか?懐かしいなぁ」


話題探しは会話を弾ませるのに大いに役立ち、契約を幾つも取ることが出来た。

その伝で今もやり取りするほど中の良い人も出来たし、同僚とも良い関係を築けたと思う。

懐かしい過去に暫し耽るが、出発の時間が迫っていた。

冒険者なのだから急ぐ事ではないのだが、時間通りに動かないというのは気持ち悪い。

乗車に間に合うように5分前に家を出れば、出発8分ほど前に駅に着くことが出来た。

場所の関係上、冒険者っぽい人達が多く、現代人らしくない格好が目立つ。

俺もその1人だと思うとなんとも言えない気恥ずかしさを感じてしまう。

到着を待つこと数分。到着を知らせるアナウンスと共に扉が開く。

電車内には既に人で一杯。押し込む形でなんとか入るが、装備品が押し付けられて地味に痛い。

駅を幾つも通り過ぎ、人が増えたり減ったりを繰り返す。

ダンジョンが近くなればなるほど冒険者は増え、到着する頃には見渡す限り冒険者一色。

扉が開くと共に津波のように一斉に流れ出し、巻き込まれるように俺は出口へと向かう。

流れが落ち着いた頃にはダンジョンは目と鼻の先。

あの苦労を乗り越えてやっと挑む事が出来るのだ。

ついつい重い溜め息を漏らす。


「はぁ~~――もう少し楽に行けるルート考えなくちゃな。このままじゃ、ダンジョン入る前に体力が尽きちまう」


それは帰った後にでも考えようと思いつつ、今日もダンジョンへと潜る。

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