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現代ダンジョン冒険譚  作者: 冬空
パーティー編*名前変わるかも?
27/31

秘密の一時

自ら生み出した矛盾に首をしめられることになるなんて!

無事に外へとでた俺達は待機組と換金組で別れた。

待機組はゆうじとゆう。換金組は俺とひさしだ。

もちろん、これは意図的な分断だ。話す機会がほしいという俺の要望に応える形でひさしがそうした。

俺達が連れだっていくのはダンジョン近くに作られた複合施設――冒険者ギルドと呼ばれる建物だ。

中には買取所の他に、飲食スペースや交番、武器・アイテムを販売する店などがある。

とくに買取所は利用者が多いため、入ってすぐの場所に設置されている。

俺は買取所に並ぶひさしと別れてある場所にむかった。

たどり着いたそこの看板に書かれていた店名は『個室貸し』。とてもシンプルな、ド直球な名前ではあるが、とてもわかりやすい。

カウンターへとやってきた俺は、受付に声をかける。


「すみません。個室お借りしたいんですが」

「はいはい。どのぐらい利用されますか?」

「とりあえず10分ほど」

「では、料金は1000円ほどとなります」

「これでお願いします」


料金ぴったり支払い、部屋番号付きのキーを受け取った俺は、タイミングよくやってきたひさしと合流して部屋を目指す。


「戻ってくるの早かったな」

「急いがないとバレるんで。まっ、バレてそうだけど」

「すまん。無理をいって」

「べつに謝んなくて良いですよ。気になることは誰にでもあると思うんで」

「助かる。っと、部屋に着いた」


一応あらためて番号を確認してから、ロックを解除して部屋の扉を開ける。

パッとつく灯り、どうやら人を検知して自動でつくようになってるらしい。

初めて見た部屋の中にはテーブル・イス・テレビ・ベットといったホテル思わせる設備が揃っていた。

さっそくイスに腰かけた俺は、対面に座るひさしに顔をむける。


「時間がないから単刀直入に聞くが、ただの仲間集めじゃないだろ」

「バレちゃいました?」

「の割には焦りがなさそうだけどな」

「まっ、実際その通りなんで。話がしたい、なんて言われた時点で察しないほうが難しいですよ」

「それもそうだな。で、それを俺に教えることって可能か?」


ひさしは「うーーん」と声を上げながら天井を見上げる。


「べつに深い理由のない、なんてことのない理由ですよ。隠すことでもないからぶっちゃけると俺達、孤児院出なんです」

「思ったより重いのきたな」


もっと軽いのからくると思ってたと返せば、笑いが返ってくる。


「俺らからしたら軽い話でも、他人から見たらそう見えますか」

「まぁ、それが普通だと思う」

「普通かぁ……」


伏し目がちに呟かれた言葉に、俺は地雷を踏んだかと焦る。

とっさに言葉を発しようとして、苦笑したひさしが先に口をひらく。


「ああ、気にしないでください、ふと思うことがあっただけなんで。だから――」


続く言葉は、ひさしの口元に添えられた人差し指によって語られた。

“これ以上は聞かないでほしい”

言外に語られた言葉に俺が応じるようにうなずけば、ひさしの口元から人差し指が離される。


「いやー、とっさにやっちゃったけど、気持ち悪くなかったですか?」

「まあ、気持ち悪くはなかったかな?」


かといって格好いいとも思わなかったが。

続く言葉を心のなかで吐露する。

それでも、気休めの言葉にひさしは頬をぽりぽりと掻きながら「恥ずいなー」と心情をこぼす。


「まっ、そんな訳で俺達は幼馴染みってやつなんですよ。4人だけの……だからかな、交友関係があまり広がらなくて。ちょっとばかし閉鎖的になってる。それが悪いとは思わないけど、それが良いとも思わない。だから俺は、この機会に思いきって新たに人をいれたんです。まっ、前途多難だけど」


困り顔で締めくくられた話に、俺は息を吐く。


「事情はわかった。俺に求められているのは戦力じゃなく、交友関係の切っ掛けづくりってわけだ」

「もちろん、戦力としても期待してるのは本当ですよ? うちのパーティー、前衛で偏ったとしても後衛のほうが強いんで」

「どれだけ強いんだよ、その後衛……」


思わず呆れのこもった声をもらす。

それも仕方ないとも思う。前衛が3人もいて、それに引けを取らないどころか上をいくなんて普通じゃない。

いったいどれだけの強さを持つのかと、出会うまえから体が震えそうだ。


「わかった。俺にもそれを手伝わせてくれ」

「助かります。具体的にどうするかはまた後で話しません?」

「時間も迫ってるしな」


時計をチラリと見てそう返し、互いに立ち上がる。

ひさしは何を言うでもなく手を差し出した。

俺もそれに応えるように手を伸ばし、手を結ぶ。


「これからよろしくお願いします」

「お互いにな」

難産やった……。ひさしのキャラが安定せいへん。後でテコ入れするかも。

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