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現代ダンジョン冒険譚  作者: 冬空
ソロ編
14/31

救出作戦

急いでアプリを開けば表示された画面には、立体で表示されたいくつもの層。このダンジョンの地図だ。

画面には青と赤のマークが光っており、青は自分の、赤は要救助者を指している。

場所は4階層、行き止まりの地点。行き方はアプリが教えてくれる。

スマホをポケットにしまい、準備を整える。ここで急いではならない。何がいるか、何が起こっているか不明な場所に準備不足で突入すれば二の舞になってしまう。急いては事を仕損じる、てやつだ。

焦る気持ちを落ち着けて準備を終えた俺が外へと出れば、警備兵として雇われた冒険者たちが慌てた様子で言い争っていた。


「くそっ! 俺の勤務時に光んなよ!!」

「っんなこと言ってないでさっさと準備をしろ!! 人が死ぬかも知れないんだぞ?!」

「しらねえって! そもそも自己責任だろうが!! あの階層ごときで死にかけるんなら冒険者なんてやるんじゃねえよ!!」

「あああもう!!! 俺が先行するから矢上(やがみ)は増援要請をたのむ!! というか、それぐらいしろ!!」

「はあああ?! 増援要請なんていらないだろ! 雑魚だぞ、雑魚!!」

「ーーーうだうだ言ってないでやれ!!」

「ちっ、分かったよ。それで何か会社に言われても俺は責任負わないからな」

「分かった。それで良いから頼む」


2人の激しい言い争いはようやく決着が着き、不貞腐れたようすでこちらへと歩いてきた矢上と呼ばれた男は、俺の存在に気づくと顔を顰めて再び舌打ちをし、そのまま何も言わずに横を通り抜けていく。

どうしてこんな男が、なんて思っている暇はない。俺は急いでもう1人の男に近づきながら声をかける。


「すみません! 俺もそれに同行させてください!」

「あなたは先程の……助かります。私が先頭を走りますから、後ろから着いてきてください」


どうやらここを訪れた際、俺が声をかけたのを覚えていたようだ。

俺は了承の返事を返し、男の背に続いて走り出す。

道中のモンスターは無視だ。一々相手してられないし、一刻の猶予もないのだ。この階層のモンスターがストーンスライムで良かったと、走りながら思う。

群れはつくらず、基本1匹のみ。スピードも遅いため、気づかれたとしてもすぐに撒ける。

そうして順調に突破して4階層へと辿り着く。

距離はあと5メートルほど。走ればすぐに着く距離だ。互いに軽く息を整えながら、佐上さがみと名乗った男が口を開く。


「現場に辿り着いたら、まずは私が角から様子を見ます。この階層のモンスターならまだしも、他の階層からモンスターが来ている可能性がありますので」


イレギュラーか。

モンスターが本来の階層を越えて上に来る現象を、そう呼んでいる。

滅多にあることではなく、発生したとしても1~2階層ほど上がるていど。それ以上となるとより珍しい。

佐上は「それでも並大抵のモンスターなら倒せる自信があります」と、俺が不安にならないように明るく話す。

その気遣いに心が解れるのを自覚する。どうやら気づいていなかっただけで、緊張していたみたいだ。

それも当然か。救難信号なんて初。それも、冒険者になって1ヶ月も経っていない。ライセンス取得時に習っていたとはいえ、座学と実戦では違う。

それに、最悪のパターンを考えるとどうしてもな……。

いくつも見せられた実際の写真。その中でも酷かったものを思いだして顔を顰めてしまう。


「では、行きましょう」


およそ一分ほど。佐上の声を合図に俺は再び駆け出す。


ちょくちょくミスる。ごめん

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