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リファイン ─ 誰でもない男の、意外な選択と、その幸福 ─ そして世界は変わる  作者: かおる。
第一章

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2025年5月2日(金)初めてのゴブリン

 とんだハプニングはあったが、スライム狩りに飽きた吉野さんが、ゴブリンを倒しに行こうと言いだした。

 俺も早く講習を終わらせて帰りたかったので、スライムの研究に余念がない奥田くんを引っぱって、ダンジョンの奥へ進んだ。




 数百メートル進んだところで、薄汚れた緑色の異生物が見えた。



「出た! ゴブリン!」

「しっ、静かに」

「まだこっちに気がついていないみたいだ」

「何か親戚の子に似てるなぁ」と、奥田くんが言った。


 確かに。普通にその辺にいる小学生のような外見だ。

 肌色は腐ったミカンに生えてるカビみたいだが、手には大きめの石を持っていた。



「へー、道具を使う知能はあるんだな」


 ダンジョン内には、小学生が好きそうな枝や棒は落ちていない。尖った岩や、大きめの石が武器になるのは納得だ。

 もっとも、ダンジョン内で死んだ探索者の武器を持ち歩いている異生物もいるそうだが。



 ゴブリンはこちらの存在に気が付くと、腰を低く構え、素早く横っ飛びして岩陰に隠れた。

 ダンジョン内の通路は曲がりくねっている上、抜け穴や大きな石筍が多く、隠れる場所はあちこちにある。前方だけ警戒していたら、横から飛び出してくることもあるので、俺たちは全方位に注意を向ける必要があった。



 ゴブリンって、考えなしに一直線に走ってくるわけじゃないんだな。

 俺のイメージでは、棍棒を持った子鬼がドタドタと走ってくる姿だったが。

 動きが早いし、回避行動をとるなんて思ってもみなかった。



 どこから回り込んできたのか、ゴブリンが俺のそばの岩陰から飛び出してきた。俺はミニシールドでガードしつつ、ハンマーをかざしながらゴブリンを牽制した。


 殴りかかろうとすると、ゴブリンは素早く岩陰に逃げ込んだ。


「速っ!」


 これで初心者向けのモンスターってウソだろ?



 さっきまでの、スライムを囲んだのどかな雰囲気は吹っ飛んだ。

 皆、Gが顔の前に飛んで来たときのように、パニック状態になっていた。



「奥田くん、後ろに回り込んで!」

「美玲、前、前! 正面見て!」

「ちょ、ちょっと待って。けっこう怖いんですけど!」

「ぎゃあああ、こっちに来た~~~」



 俺は極度の緊張状態に陥ってまったく動けず、ゴブリンの素早い動きに翻弄されて、ひっくり返りそうになった。


 テレビで「気軽に行けて、魔法が使えるファンタジーの世界みたいで楽しかった♥」とか言ってたアイドル死ね。これじゃ、Gがどこから飛んでくるのかわからない地獄みたいなもんだ。

 全然気軽じゃねえだろうがあああああ。



 ゴブリンはタタタッと俺の背後に回り込み、背中に硬い石を叩きつけてきた。


「痛ッ!」


 反射的にハンマーをぶん回し、ゴブリンを払いのけようとする。


「キャっ!」


 すぐそばにいた吉野さんに当たりそうになり、寸前で飛びのく。


「吉野さん!? ゴ、ゴメン!」



 振り返ると、ゴブリンはすでに岩陰に消えていた。

 まるで人間狩りに慣れたハンターみたいだ。



 さっきまでのスライム討伐は、正直、遊びに近い感覚だった。

 だが、相手が人の姿に似たゴブリンになった途端、空気が変わった。

 ここからが“本当のダンジョン”なんだろう。



 ダンジョン内での死亡事故は、交通事故より多いという。

 だが、それを“話として聞く”のと、“実際に痛い目に遭って気づく”のとでは、まるで別物だ。


 背中の鈍い痛みがじわじわと全身に広がっていく。嫌な汗がじわりと浮かんできた。



 今のって、もしかして……当たりどころが悪ければ、そのまま死んだんじゃないか──?



 自分が死ぬかもしれないという可能性を自覚した瞬間。

 まるで死神の手が顔を撫でたように、恐怖が背筋を駆け上がった。


 アドレナリンが体に火を点ける。呼吸が荒くなり、自分の息の音がうるさいくらいに響く。

 全身の毛穴が開き、汗が滲んで、体から湯気でも噴き出しそうだ。



 吉野さんが、目をつぶったまま無我夢中でハンマーを振り回した。



「目をつぶるな、危ない!」

 ──と言いたいのに、声が出ない。



 吉野さんのハンマーは、俺の顔をかすめてゴブリンの肩に直撃した。


 痛みで顔を歪めたゴブリンと目線が合う。

 黒光りした目には、明確な殺意があった。


 一瞬で口の中がカラカラになり、舌が喉に張りついたように動かなくなった。

 行き場を失ったツバが逆流して、ゴボッとむせた。


 ゴブリンが痛みに叫び声を上げ、動きを止めた。

 その隙に、奥田くんが顔を半分そらしながらも、背後から後頭部めがけてハンマーを振り下ろした。



 ゴブリンはその場に崩れ落ち、紙が炎に焼かれていくように、黒く変色し、やがて灰になり始めた。

 誰も言葉を発せず、ただ茫然とその姿を見届ける。


 完全に灰になったのを確認した瞬間、俺たちはその場にグッタリと座り込んだ。




「はぁ、何とか倒せましたね。想像してたのと全然違ったけど。緊張して喉がカラカラ」と言いながら、長井さんが水筒のフタを開けて水を飲んだ。



 戦闘の余韻が体から抜けきらず、長井さんの息を吐く音や、水を飲む音が、やけに大きく響いた。



「いやー、怖かった。こう、片目をつぶって、なるべくインパクトの瞬間が目に入らないようにしながら──。もう夢中でしたよ、ふう」

 奥田くんは膝に手を当てて前かがみになると、大きなため息をついた。


「ちょっと足が震えてる気がします、ハハハ……ァ」



 奥田くん、声も震えてるじゃん──と言いたいところだが。俺のほうはいまだに震えが止まらず、声すら出ない。


 ゴブリンが投げた石のせいか、動けば体がバラバラになりそうな気がした。

 俺はその場にへたり込んだまま、他のメンバーを呆然と眺めていた。



「えーでも凄いよ、奥田さん。カッコよかった。こういうのって、最初にやる人が一番キツいよね」

 吉野さんが拍手をしながらそういうと、奥田くんはめちゃくちゃ照れた顔をして礼を言った。


「あ、ありがとうございます。そういえば、魔石の取り扱いを決めてなかったですね。今のゴブリンの魔石って、ボクがもらってもいいですか?」

「いいですよ、最後に倒したのは奥田さんだし」

「パーティーだと普通人数で割るのかな。でも、安全講習中だし、私たちでルールを決めておいたほうが、トラブル防止になるわね」



 ダンジョン資源の取り扱いは、パーティーの裁量に任されている。

 ゴブリンの魔石は大した金額にならないので、誰が倒したかわからないような混戦にならない限り、最後に倒した人がその異生物の魔石をもらう──ということで、みんなの意見がまとまった。



 奥田くんは、ゴブリンの灰のなかに手を入れて魔石を拾い出した。

 ピーナッツくらいの大きさだ。



「ちっちゃいね。なんか、変なニオイがするし」

「これひとつで300円ですか」

「時価だけど、だいたいそのくらいね。1時間で4体以上倒せないなら、地上でバイトしたほうがいいかも。複数人数でパーティーを組んだとして……、怪我をするリスクまで考えると割に合わない金額ね」



 学生たちは、冷静に魔石の品定めを始めたが、こっちは震えながら座り込んだままだ。

 ゲームで敵を倒すのと、実際に自分の手で戦うのとでは、精神的な負荷が違いすぎる。

 砕け散る寸前だった俺の自尊心は、もう木っ端微塵だ。



 フラフラの俺とは対照的に──


 見てみろよ、この若者たちの姿を。

 実に楽しそうだ。やっぱり、若いヤツらは新しい出来事への適応力が違うのか。



 吉野さんのはしゃいだような声も、俺には届いてこない。

 みんなの会話が遠くに感じる。


 大人としての経験値と、社会人としてそれなりにやってきた自負があった。

 異生物と戦うことに抵抗はあったものの、ダンジョンに入った時点で、覚悟は出来ているつもりだった。



 だが、実際は全然そうじゃなかった。

 心も体も、何もかもが重くて、一歩も動けない。



「終わった……こんなのムリだ。全然できる気がしない」


 そんな言葉がこぼれ落ちる。


 俺が放心している様子を見て、みんなが集まってきた。



「でも、これが出来ないと、実技講習クリアにならないですよ」

 長井さんが、周囲を警戒しながら、地べたにへたり込んでいる俺に向かって、冷静に言った。


 メンタルをやられた俺には、キツい言葉に聞こえた。

 世界中に責められている気がした。



「大丈夫、みんなで力を合わせれば、なんとかなるし。次、行こう、次」

 吉野さんは、テンション高くそう言うと、俺の手を引っ張って、立ち上がらせた。


「そ、そうなんだけどね……」


 女の子に励まされて、なんか泣けてくる。


「ううっ、でも、やっぱりダメだ。もう俺なんか、俺なんかさあ……」


 俺は再び、その場に崩れ落ちた。



 すみません、さっきまでは、ちょっと粋がってただけです。俺なんか、どうせ、無能で無職で無気力な雑魚です。ホントにすみません。



「あー、山村さんが壊れちゃった」

「そういえば、山村さん、無職で、そのうえ奥さんに逃げられたって言ってたっけ。ストレスの限界突破って感じかしら」

「すっかり気落ちしてますね。気落ちすると、セロトニンとかドーパミンの分泌が減るんですよ」

「それってどういうこと?」

「つまり、今の山村さんは、脳が『やる気ゼロです』って宣言してる状態ですね」

 奥田くんは、俺のグッタリした姿を見て首を振った。


「ほら~、しっかり。やる気なんて、やってるうちに出てくるから。ね? 一緒に頑張ろう?」

 吉野さんは明るくそう言って、ふと話題を変えるように問いかけてきた。


「そういえば、山村さん、お子さんはいるの?」

「あ、娘が一人……」

「まだちっちゃい子?」

「……5歳になる」

「そっか。いっぱいおしゃべりしたり、お友だちもできて、個性が出てきて、気難しくなったりする頃かな」

「……心菜は、そうだな。まだまだ手が掛かる子で」

「心菜ちゃんか。じゃあ、山村さんもパパなんだから、娘さんのためにしっかりしないと。何もダンジョンの奥底まで行くわけじゃないんだし。安全講習くらい楽勝でしょ」

 吉野さんはそう言って、にっこり笑った。


「そうか、娘のためか……。それなら……頑張れるかもしれない」



 そうだ、妻との縁が切れたとしても、俺には娘がいる。

 こんなところで腑抜けているわけにはいかない。娘のために、どんな仕事であろうと、やらなければならない。



 俺はゆっくり立ち上がった。



「そうそう、頑張れ~」

 吉野さんが、俺を見て何度も頷いた。



 吉野さん……、女神かよ。ゴメン、苦手なタイプとか思って。



 まだ震えは止まらない。

 だが、俺はこんなところで立ち止まっているわけにはいかない。



 どうすればいい?

 こんなとき、小説の主人公だったら、どうやって立ち直る?

 あるいは、子どもの頃、叔父さんが溜め込んでいたDVDで見た、昭和のヒーローだったら……


 みんなに優しく慰めてもらって立ち直っていたか?

 子犬のようにふるふる震えながら立ち上がり、まわりの人に支えられる。

 大丈夫、キミならできる、頑張れ~、パチパチパチ……みたいな感じで。




 ……いや。


 昭和のドラマなら、こうだ。




 気合を入れる。

 以上!




 昭和のヒーローものは、なにかと拳で解決したものだ。

 “父さんにもぶたれたことがないのに”なんて言おうものなら、一生それをネタにされる。

 一度ネットに載ったら最後、おそらくこのセリフも今頃は世界中に拡散して、延々とネタにされているに違いない。



「奥田くん、俺を一発殴ってくれ!」

「えっ? き、急にどうしたんですか」


 俺が急に振り向いてグイグイと寄っていったせいか、奥田くんは少し後退りした。


「頼む。気合を入れてくれ! 今すぐっ! 死にかけてたヤツが起き上がるくらいの!」

「……気合注入ってやつですか? なんか、昭和の体育会系というか、今どき流行らなさそうな発想ですが……」

 奥田くんは、気が乗らない様子だ。


「いや、根性論とかじゃなくて。結局、人間の感情なんて、ホルモン次第だろ? 叩けば、恐怖心も吹き飛ぶんじゃないかと思ってさ」

 俺はまくし立てた。


「あー、痛みによってノルアドレナリンとエンドルフィンを分泌させて対処しようってことですね、なるほど。では、グーパンは自信がないので、平手でいきます!」


 奥田くんはそう言うと、何度か素振りをしてから、思い切りビンタしてくれた。



「ぐっ……ありがとう。おかげで目が覚めたよ」

「いえ、ど、どういたしまして。──ちょっと勢いをつけ過ぎて、こっちの手も痛いですけど」

 

 奥田くんは、手のひらを痛そうに押さえた。



「ずいぶん原始的だけど、そんなやり方で怖くなくなるのかしら?」

「うーん、恐怖心を痛みで上書きする感じかな。山村さんの顔を見ると、一応効いてるみたいよ。普通に戻ったというか。……でも、違うスイッチが入ったような気もするけど」



 長井さんの言う通りだ。恐怖心を完全に消すことは出来なかった。

 だが、それ以上に、胸の奥が――いや、脳の内側がメラメラと燃えていた。


 奥田くんの言っていたノルアドレナリンだか、エンドルフィンだか知らないが、脳内ホルモン大放出祭りだ。


 全能感が俺を満たしていく。今ならやれる気がする。何でも。



「お待たせしました。では、続きをやりましょう」



 ***



「思っていたより素早いので、バラバラに動くと危ないですね。メインで攻撃する人を決めて、他の人はサポートに徹しましょう。通路も狭いし、複数のゴブリンが沸いたら危ないので。まず、私から行くので、左右の警戒をお願いします」


 長井さんは俺が落ち着いたのを見て頷くと、腰のホルダーからナタを取り外した。

 地面に落ちていた小石を拾い、前方の岩陰に向かって投げる。壁にコツンという音がすると、ゴブリンがチラっと顔を見せた。


「あ、待ち伏せしてる」

「ゴブリンって頭いいですよね」


 長井さんは隠れていたゴブリンに向かって走り出した。

 ゴブリンはギャオギャオと喚きながら飛び出してきて、石を持った腕を振り上げた。



「まず、パラード。相手の攻撃を受け流す」

 長井さんは冷静にゴブリンの動きを見ていた。


「ターンして、リポスト」

 ナタの先でゴブリンの腕をいなすと、瞬時に体をひねって──


「──からの、フルストローク!」

 素早く距離を詰め、ゴブリンの後頭部に向かって勢いよくナタを振り抜いた。



 さっきゴブリンに翻弄されたときとは、まったく違う。

 熟練の剣士が演武を披露するように、力強く美しい一撃。


 ナタを振り抜いた長井さんは、構えを取ったまま微動だにしなかった。

 ゴブリンは、まるで自分が倒されたことに気づかないかのように、一歩踏み出そうとして──そのまま音もなく、崩れるように灰に変わった。



「「「うお~~~っ! スッゲー!!!」」」」



 何、その技! すごく絵になってて、カッコいい。

 マンガだったら、背中に花を背負ってるシーンだ。


 そういえば、フェンシングやってたって言ってたな。背も高いし、ちょっと少女マンガの王子様っぽい。


 ふと横を見ると、吉野さんの目がハートになっていた。



「縁ちゃん、スゴい、スゴい~! もう惚れちゃう~♥ 最後のビシってポーズもめっちゃ決まってた! ザ・必殺技!って感じ」

「そ、そうかな、──なんか攻撃するときって、ちょっとワザ名を言いたくなるね」

 クールな長井さんが、少し照れたように言った。



 オウ……、ツンデレかよ。

 ワザ名は、俺もそう思う。



「ワザ名か~、日本人あるあるだね~」

 吉野さんがうんうんと頷いた。


「いや~、あの手首の返しで、ゴブリンの攻撃の軌道を変えるところなんか、いい感じの放物線でしたよ」

 奥田くんも、パチパチ手を叩きながら長井さんを絶賛した。



 そして、吉野さんが長井さんに絡みついて、高校時代のことやフェンシングのことを、聞き出し始め、話が終わらなくなってしまった。



 ヤバい。この子たち、話し出すと長いんだよ。早く止めなくては。


 でも、何て言って止める? 俺がやるから見ておけ?


 ハハハ。


 絶対やりたくない。

 長井さんがビシっと決めたあとに攻撃役って、ただの引き立て役じゃん。



 だが……、探索者ライセンスを得るためには、ゴブリンを倒さなくてはならない。

 やる気になってる今すぐ!


 みんなのおかげで、精神的な辛さはもうない。さっきのような無様な姿を見せることはないだろう。



 それに、今度は“空腹”という、もっと原始的な焦燥感が迫ってきた。

 昼メシを食べ損なって、説明会の前にエナジーバーを一本かじっただけ。

 腕のバンドを見れば、時刻は午後5時を過ぎている。


 空腹を抱えたまま、いつ終わるとも知れない井戸端会議を聞き続けるのは、さすがにキツくなってきた。


 このままでは、せっかく盛り上がったホルモンが沈静化してしまう。

 それはダメだ。今すぐ、行動しなくては。



「えっと、皆さん、時間を取らせていた俺が言うのも大変恐縮ですが……、帰りの時間もあるし、ぼちぼち続きをやりませんか?」

「えー。もう~、山村さんったらー。ちょっと空気読んでよ」


 俺が声を掛けると、長井さんに絡みついていた吉野さんがジト目で文句を言った。



 何で?

 っていうか、何を?



「ほら、山村さんもそう言ってるし、もう行くよ」

「じゃあ、また後で教えてね、縁ちゃん♥」



 何だ、この甘々ムードは。

 俺は一体、何を見せられているんだ。


 俺はそんなに語彙力があるほうではないので、この空間に漂う空気をどう表現すべきかわからない。百合かと言われるとそうじゃないけど、女性二人が醸し出す期間限定の、ほんのり甘い何か、と言うか。



 まあいい。

 今、俺が向き合うべきはコレじゃない。

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