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メガネ家 2

更新が遅れてすいません。

今日はもう1話更新予定です。



サラさんとメガネくんと私の3人でのお茶会が始まった。


席に着くと同時に、先程の執事が紅茶を注いでくれる。



「そーいえば、シュトラス嬢は髪色を変えたのですね? 」


ふと、思い出したかのようにメガネくんが言う。


あ、そうだったわ!


私そーいえばメガネくんとあった時は確かカツラ被っていたわよね。


やばいわ!


王太子様を避けていたとも言えないし、どーにかして誤魔化すしかないわ!


「えぇ、そうなのよー。あの時は気分的に茶髪が良くてー。」


苦しい言い訳だけど、嘘では無い。


「へぇーそうなんですねー。」


さして興味がなさそうにメガネくんが答える。


良かった。なんとかなりそうだわ。


ほっとしていると視線を感じる。

そちらに視線を向けるとこちらをじーっと見つめていたサラさんと視線がぶつかる。


「私、シュトラス様の髪とても綺麗で好きです。」


ぶつかった視線をそらさずにサラさんが真っ直ぐにこちらを見つめる。


何を思ったのか分からないが、サラさんの真っ直ぐな視線は純粋にそう思っているのだろうと感じた。


素直な彼女の態度はとても好ましく感じた。


「ふふっ、ありがとう。ねぇ、私たち名前で呼び合わない?」


もっと彼女と仲良くなりたいとおもったので、思わずそう尋ねた。


もう私はすでにお友達気分なので、心の中ではサラさんと呼んでしまっているのだが、


「もちろんです! 私の事はサラと呼んでください! 私もリーリア様と呼んでもよろしいでしょうか? 」


「はい、もちろんです! 私のこともリーリアと呼んでください! 」


何故かそう言うとサラは焦ったように首を振った。


「そんな、リーリア様を呼び捨てなんて出来ません。」


そう言い、彼女は私が何を言っても首を縦に振らなかった。


え、どうしてなのかしら!?


前世から友達と呼び捨てで呼び合う行為に密かに憧れていたのに、、、


シュンとなっていると不機嫌そうな声が遮った。


「あのー、さっきからあなた方私の事を完全に居ないものとしていますよね。一応、シュトラス嬢は僕の親友なんですけどね。」


あ、そーいえばメガネくんがいるの忘れてたわ。


「ごめんなさい、メガネくん。メガネくんも私のことをぜひリーリアと呼んで下さらない?」


もう、メガネくんが希望だ。

私の前世からの野望である、友達同士で呼び捨てし合う夢を叶えさせてくれ。


「メガネくん? それは僕のあだ名か何かですか?」


しまった!

「メガネくん」と、心の中でひっそりと読んでいたあだ名が出てしまった。

まずい!


「あ、え、えっとー、、」


上手く誤魔化そうとするのに言葉が出てこない。


「僕はもう、あだ名で呼ばれる仲になったのですね。ありがとうございます。でも、僕も婚約者ではない女性は名前で呼ぶことは出来ないので申し訳ないです。」


嬉しそうにはにかみながらメガネくんはぺこりと頭を下げる。


「そうですよ! こんな男がリーリア様の事を呼び捨てするのなんて許せません! 」


サラさんの言っていることはよく分かりませんが、よく考えるとそうですわよね。

婚約者でもない男性の方に名前で呼んで欲しいなんて迷惑よね。


「すみません。あまりよく考えずそんなことを言ってしまって。」


「あ、全然気にしないでください。リーリア様、こんな男一生婚約者なんか出来ないくせに、こんなこと一丁前に言ってるだけなんで。」


「なぬ! 失礼ですよ! 」


二人で言い合いが始まる。


「ふふっ! 」


そんなふたりの姿を見ていると思わず笑ってしまった。


二人して固まり、こちらを凝視する。


「あ、ごめんなさい。あまりにも二人が微笑ましくて。」


そういうと二人とも顔を見合わせ


「いえ、すみません。お見苦しいところをお見せしてしまって。」


「そんなことないわよー。」


そんな風に三人でお喋りをしていると、あっという間に時間は過ぎていった。


「では、また三人で遊びましょう! 今日はとても楽しかったわ! 」


別れ際、馬車の前まで送ってくれた二人にお礼を言う。


「いえいえ、ぜひまた遊びに来てください。」


そうメガネくんが言い、では。と馬車に乗ろうとすると


「あの、私たちももうお友達ですよね? 」


サラがうつむきながらそう不安げに尋ねてくるので


「そうよ! 親友よ! 」


あまりにも不安げに尋ねてくるので、励ますように言ってしまった。


なんだか、親友になる条件がとても簡単になっている気がするのだが、、、


でも、まぁ大丈夫よねー。


サラは大切な友人であることは変わりないんだから。


「今度はぜひ我が家にでも遊びに来てちょうだい! 」


二人に手を振って馬車に乗りこんだ。







・・・・・・・・・・・






遠ざかっていく馬車を見つめながらニヤリと笑みを浮かべる人物がいた。


「私も親友だって、やったね! 」


勝ち誇ったような笑みを浮かべながら相手を見つめる。


「うるさい。シュトラス嬢が優しいだけだ。」


そっぽを向きながらその人物は答える。


「でもさー、もしかしたら見つけちゃったかも、私の主様。」


「あぁ、絶対お前はそうなると思った。」



最後まで読んで下さってありがとうございます。

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