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メガネ家 1

メガネくんからのお誘いを受けて1週間、今日はメガネくん宅へ訪問する日だ。


お誘いのあった時間はお昼過ぎなので、軽く昼食をとってからメガネくん宅へ向かう。


今は馬車に乗ってメガネくん宅へ向かっている最中だ。


久しぶりにメガネくんに会うので、ウキウキしながら馬車の窓越しに自分を見つめる。


今日は、服装もラフな格好で良いとお手紙に書かれていたのでワンピースにブーツという比較的軽装だ。


楽しみな気持ちで馬車に揺られていたら、あっという間にメガネくん宅に到着した。


屋敷の前に停めて馬車を降り、アンナに手を引かれ屋敷の入口までの階段を上っていく。


うわー! それにしても大きな屋敷。


うちも大きいけどうちよりも少し大きいかしら?


階段を数段上ると屋敷の入口まで到着した。


入口の前には初老の執事がおり、扉を開けて案内をされる。


「本日は、お越しいただきありがとうございます。ささ、どうぞお入りください。」


執事がそう言いながら扉を開けてくれたのでお礼を言いながら中へと入る。


中に入ると、とても大きなエントランスに品のいい絵画が飾られている。


うわーなんだかおしゃれねー。


中に入りエントランスをキョロキョロと見回していると、奥の方にいた二人の男女が近づいてくる。


多分この人達がライナー家の公爵夫妻なのだろう。


「あなたが息子の親友さんですか?」


この人がメガネくんのお母さんですか、

なんというか、全く似ていませんね。


胸元を大きく開けたドレスにボンキュッボンの完璧スタイルを持つ、茶髪に薄い緑色の瞳を持つ美魔女お母さんだ!

まるで、20代にしか見えない!


「シュトラス家のリーリア・シュトラスです。息子さんとは仲良くさせてもらっています。 」


膝を軽く曲げ、幼い頃から習っているカーテシーを綺麗に見えるように意識して頭を垂れる。


「まぁまぁ、可愛らしいこと! そんなに緊張しなくても大丈夫よ。」


妖艶にクスクスと笑う美魔女お母さんのおかげで少し緊張がほぐれる。


「息子と仲良くしてやってくれ。」


美魔女お母さんの隣で軽く会釈をした早口の男性は多分公爵であり、メガネくん父だろう。


背が高くヒョロっとした体格にメガネ、ちょび髭が生えた緑目に緑髪でメガネくんの生き写しのような人だ。


あ、隣で美魔女お母さんに髭を剃れって言ったでしょって頭引っぱたかれてる。


「ごめんなさいねーこんな感じで。息子も主人に似てるから一生友達が出来ないと思っていたんだけど、こんな可愛いお友達を連れてくるなんて。」


嬉しそうな顔をして目を細めて見つめられる。


「どう? 息子の婚約者とかどうかしら? あの子、頭も良いし、見かけによらず体も鍛えているのよ、あなたに釣り合うしどうかしら? 」


期待に満ちた眼差しで私を見つめてくる美魔女お母さんだけど丁重にお断りしとく。


そして、そんな正反対な夫婦に挨拶した後はメガネくんが温室で待っているということで執事のあとについて行き、温室へ向かう。


「到着しました。この先にいらっしゃいますので、どうぞ楽しんできてください。」


温室のドアを開けられて中に入る。


色とりどりの鮮やかな花が植えてある温室を進んでいくと、イスに座っている人影が二人見える。


私が傍に近づいていくと、


「シュトラス嬢、お待ちしておりました! 」


二人のうち一人が私を見つけると立ち上がり手招きをしてくる。


「いえ、こちらこそお招きいただきありがとうございます。」


またさっきのように、極力綺麗に見えるようにカーテシーをする。


「ささ、どうぞ座ってください。」


メガネくんにエスコートされて椅子に着席する。


そして、メガネくんの他にもう1人先客がいた。


その人物は立ち上がり


「お初にお目にかかります。クルトの双子の姉のサラです。どうにも弟が何かしでかさないか心配で、お茶会もご一緒してもよろしいでしょうか?」


サラさんという人はそう言い頭を下げた。もちろん、私としては全然問題ない。


「ええ、もちろん! 全然よろしいですわ! 」


私が答えると嬉しそうにお礼を口にするサラさん。


それにしても、お母様にそっくりで素敵な方だわ。艶のある綺麗な茶髪で瞳はお母さん譲りの薄い緑色。


そして、お母様に似たボンキュッボンなあの羨ましいグラマラスな体型。


綺麗だわー!


しばらく、見つめているとサラさんが


「あの、どうされたのですか?」


なんだか不安げな顔で尋ねてきた。


しまった! あまりにも見つめ過ぎたわ、こんなの不敬だもの、やってしまったわ。


「あ、すいません。あまりにもお綺麗で、見つめてしまいました。」


こうなったら、包み隠さず正直に言うのが1番だ。


すると、サラさんは驚いたように赤くしてうつむいてしまった。


あらあら?


どうされたのでしょうか。


こうして、3人のお茶会が始まったのだった。


最後まで読んでくださってありがとうございます!

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