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前世の記憶

ほぼこの世界の設定説明回です




ある麗らかな日の午後使用人達を連れて庭でお茶を飲みながらのんびりとしていたその時。



齢10歳にして私は突然思い出してしまった。



この世界は私が前世で読んでいた恋愛小説の世界だということに、、、



そして、私リーリア・シュトラスはこの世界での悪役令嬢だった!



あまりの事に

「悪役令嬢なんてごめんなんだがーーーーー!! 」

と、思わず叫んでしまった。



「きゃーーー誰かーお嬢様がーー」


そう使用人の悲鳴を聞きながら気絶したのが昨日の話である。





目を覚ますと医者と一緒にお父様もいらっしゃっていた。


「怪我はありませんけど、今日は安静にしてください」


と言い医者は帰って行った。


「あぁ、良かった目を覚ましてくれて突然倒れたって聞いたから心配したよ」



目覚めたのは次の日の昼で心底ほっとしたような顔をしたお父様に抱きしめられた。



オリバー・シュトラス

リーリア・シュトラスの実の父親であり薄い茶髪に水晶のような澄んだ水色の瞳の優しげな顔は特に特徴のない普通の中年男性だ。



しかし、人は見かけによらないと言うけれどお父様にも言え、お父様はなんら特徴のない顔に似合わず優秀な国王陛下の宰相をしている。



いつもは王宮勤めで忙しく、食事も朝食しか一緒にとることが出来ないお父様がここにいるという事は、仕事を中断して急いで公爵邸に戻ってきたのだろう。



「心配してくださってありがとうございますお父様」


お父様の私を抱きしめる手が震えていた。


そーいえば、私の断罪される要因のあのワガママな性格を形成したのは、このお父様の娘への甘々な所からだったとゲーム内で説明されていたことを思い出して苦笑してしまった。



「マリアを失って、お前まで私より早く先に死なないでくれ」


そう言いながら、お父様は更に私を強く抱き締めた。


母が私を産んから数年して亡くなってしまってから、私が病気や怪我をすると言ってくるお父様の口癖にいつもの私ならはいと答えただろうが、記憶が戻った今は少し口ごもってしまう。



「どーしたのだリーリア、まだ具合が悪いのか? とりあえずお父様は仕事に行かなければならないからもう行くよ、安静にしていてくれ」



「分かりました。」


そう言い残しお父様はお仕事に向かわれた。



お父様がいなくなり、布団から出ることを許されていない私は、ひとまず頭の中を整理することにした。


まず私リーリア・シュトラスは私が前世でやっていた小説の悪役令嬢であり、ヒロインと熱々の恋物語を繰り広げるこの国の王太子ルーカス・アンバーの婚約者だ。


ちなみに、階級は筆頭公爵家である。


前世ではブラック企業に7年間務め、残業中に亡くなった小説やアニメが大好きなしがないオタクだった。



今世の私は、お母様譲りの月の輝きを映したような金髪に燃え上がる炎のような意志の強い赤い瞳をしており、全体的に亡きお母様にそっくりな顔立ちをしている。



だが、なんせ瞳の色が優しげな海のような青色だったお母様とは反対に真っ赤な瞳な為、気が強そうな印象をもたせる。



それでものすごい美少女であることには変わりないが。



まぁ、それは置いといてこの物語を整理していこう。



この世界ではある一部の人達はファンタジー系あるあるの特殊能力を持っている人がいる。



それをここではギフトと読んでいるのだがギフト持ちはほとんど高位貴族にしかみられない。


ギフトが発現するのは個人差があるらしい。


うちのシュトラス家はお母様もお父様もギフトは持っていたらしいが教えてもらったことないのでどんな能力か全然知らないのだ。


それから、残念なことにリーリアはギフトなしと書かれていた。



両親がギフト持ちの方が子供がギフトを持つ可能性が高いと言われているのだが、ファンタジー要素に憧れてた分残念だ。


それに比べて物語の主人公のヒロインは、平民からの珍しいギフト持ちで確か癒しのギフトとかなんとか。



そんな私は、ルーカスとは今のところまだ婚約者ではないけど11歳の時にある王家主催のティーパーティーの際に家柄も釣り合い、同い年なため婚約者に選ばれてしまう。


しかし、ルーカスは特にリーリアに興味がなかったため数年は何も起きないが。


事件が起きるのは4年後、、、



12歳からギフト保持者は強制的に入らされる王立学園での出来事だ。

(リーリアやギフト保持者ではない貴族も大体王立学園に通う)


見目麗しく、地位も高いルーカスの婚約者であるリーリアは有頂天になり、王太子と仲良くしていたヒロインが気に食わなくなっていく。


その後、リーリアは最悪なこと王立学園の卒業パーティーで飲み物に毒を仕込みヒロインを毒殺しようとする。



リーリアの悪事はヒロインが毒を飲む直前にルーカスによって白日の元に晒され、私リーリアは殺人未遂犯として断罪、その後地下牢獄で寂しく死亡。


一旦全て整理し終えたところで少し絶望してしまう。



いや、少し所では無い大分絶望だ。



えー待ってよー絶対やなんだけど!



幸いまだ10歳でパーティーまで時間があるからまず、そのティーパーティーで選ばれないようにしなければ!!



そーいえばなんでリーリアは婚約者に選ばれたんだっけ?

家柄もあるだろうけど、他にも釣り合う家柄の子や同い年の子ぐらいいただろうに 、、、


はっっっ!


思い出したこの髪色だ!!!



確かルーカスが幼い頃に、お忍びで街に行った時に助けてくれたヒロインと髪色が似ているから選ばれたって書いてあった。



似てると言っても確かヒロインの髪色は金髪と言うよりか麦のような黄金色だった気がするけど。



とんでもなくショーもない理由だ。


待てよ、でも選ばれた理由が髪色ならば髪色を変えれば良いのでは?


え、天才なのでは私



「くふふふふふっくふっくふっ」



あまりにもいい案にニヤニヤが止まらない。



よし、そうと決まれば行動に移していこう!





目指せ! 断罪回避~



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