第61話 俺達の戦いはこれからだ!
「ということだ柴咲さん」
手をワキワキとさせて柴咲さんに迫る。
柴咲さんは咄嗟に逃げようとするが、白鳥さんが羽交い絞めにして阻止する。
この構図は結構興奮するな。
「ちょ、静香ちゃん! 洒落にならないよ!?」
「洒落のつもりはありません。詩緒ちゃん、覚悟を決めましょう」
「覚悟なんて……、イヤ! わ、わかった、わかったから、せめてシャワーを浴びさせて!」
「……ふむ、俺としては問題ないが、やはり女性は気にするか」
俺は手を下ろし、タンスからトランクスを取り出す。
「男物の下着しかないが、穿くか?」
「穿きません!」
特別週のような反応をされてしまった。
「……あの、心の準備をしたいんで、先にシャワー浴びてもらえますか?」
「……いいだろう」
一緒に入るかと提案しようと思ったが、ウチの風呂場は狭いため入れても二人が限界だ。
そうすると不公平が発生するため、一人ずつが無難だろう。
まあ、柴咲さん達が一緒に入る分には問題ないが(むしろ興奮する)。
シャワーを浴びながら、これからのことについて妄想する。
まさか初めてが3〇になるとは思わなかったが、俺は人一倍に元気な自信があるため大丈夫だろう。
ナニがあってもいいように、体の隅々まで念入りに洗う。
当然、下半身は既にスタンバイ状態だ。
体を拭き、トランクスを装着するも、誤魔化しきれないほど主張をしている。
二人の目に晒すことになるが、どんな反応をするか今から楽しみだ。
洗面所のドアを開け、堂々と部屋に戻る。
……しかし、そこに二人の姿はなかった。
(これは……、逃げられたな)
俺も息子もションボリだ。
スマホを確認すると、白鳥さんからメッセージが入っていた。
『すみません、詩緒ちゃんがどうしても今日は嫌だと言うので、私も一緒に帰らせていただきます。後日改めて機会を作りますので、今日のところはこれでお許しください』
メッセージのあとには、白鳥さんの胸の谷間の画像が貼られていた。
(白鳥さんは気遣いのできる良い女性だな)
俺と息子は、少しだけ元気を取り戻した。
◇
あれから1年が経った。
俺達は時折揉めることはあるものの、良好な関係を続けている。
念願の初体験も素晴らしいものであった。
忍者修行は過酷だったが、その分成長の達成感も強い。
俺は今、人生の絶頂期にいると言ってもいいだろう。
「いよいよですね」
「ああ」
俺達は今、白鳥さんの故郷に向かっている。
理由は勿論、忍者になるためだ。
俺達の戦いはこれからだ!
~おしまい~
本編はこれにて完結となります。
お付き合いいただきありがとうございました<(_ _)>
本編は、と書いたように番外編があります。
その名も忍者の里編です!
一週間ほどお休みさせていただき、別作品としてではなくコチラの完結設定を解除して投稿を予定しております。
宜しければ、もう少しだけお付き合いいただければ幸いです。
また、現時点で面白かった! と感じていただけた方は、★でご評価や感想を頂けると嬉しいです!
それではまた~ノシ




