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先生の言ってることって結構メチャクチャじゃね?

先生の言ってることって結構メチャクチャじゃね?(by長男)



 夕暮れ時。

 『殺戮技術学園』という、衣を着せなさすぎな学園のある教室で3対1の状態で無言状態が続いていた。1人の方女性で、目を閉じているようだが、どこか怒ってるように見える。3人の方というのはもちろん三つ子である。闇夜は無表情だが、後の2人は冷や汗をかいているようである。


「――――――さて」


 目を閉じていた女性が口を開いた。2人は肩をビクッと反応させる。


「あなた達は一体、何を学んでいるのかしら?」


 口調は穏やかなものの、雰囲気は真逆といえるものだった。


「えっと、その殺戮技術?」


 真白が首をかしげながら言う。


「そうね、殺戮技術学園が名前なんだもの、殺戮技術を教えるのが当たり前よね」


 そう言った直後、女性の目がカッと開いた。


「そう、殺戮技術を学んできているはずなのに――――――あなた達は一体何を学んでいるの!

 この学園に入って3年経つというのに、何故昨日のようなことが起きるの!? あんなに転ばないようにと言ったはずでしょう! というより第一、何で注意するところが転ばないことなの!?」


 半ばヤケになった感があるものの、3人(というより2人?)を叱り付ける女性。


「すみません先生! 私、どうしても焦っちゃって! ほら、誰だって焦ることは――――」


「姉さんはいつも焦ってばっかじゃないですか」


 追い打ちをかけるように闇夜は言う。


「闇夜の言うとおり! そりゃ私にだって焦ることはある! けれど、真白! あなたは毎回でしょーが! どうして焦るの!? ここ3年間、うまくいったのは闇夜がやったときくらい! どういうことかわかる!?」


 それを言われて、真白はがくっと項垂れた。っていうかさっき真白が先生と呼んでたところを見るとこの女性、先生のようですね。つまりこれはいわゆる説教ってことですね。


「先生! 俺は何にもミスってません!」


 光がここぞとばかりに言う。


「あなたは何もしてないだけでしょーが! 何もしてないのにミスするわけがないじゃない! っていうかそれ自体がミスよ! 大ミスよ! あなたのその技術はものすごく高位のものなのに――――それじゃ豚に真珠よ!」


 今までの自信をすべて砕かれたかのように、光は奈落の底へ突き落とされた。まぁでも事実ですしね。言われて当然なのです。


「先生、先生。2人ともものすごく落ちちゃってます」


「アラ、本当。ちょっと言い過ぎたか」


 何を今さらというツッコミはともかく、闇夜は2人に声をかける。


「2人とも、そろそろ復活してください。先生まだ言う事があるそうですから」


 その声で2人は元通り。多分まだ言う事があるで復活したのでしょうね。


「いい? よく聞いて。これ以上良い成績を残せなくなると……」


「1年生に戻るとか?」


 真白が聞くが、先生は首を振った。先生はしばらく黙り込んだ後、決心がついたのか口を開いた。

 が、ちょっとここらで殺戮技術学園中等部の説明。

殺戮技術学園は、初等部、中等部、高等部まであり、全寮制の学園です。

初等部では皆仲良く勉強が基本ですが、途中から使用する武器、単体かグループ等目安をつけます。

中等部では初等部でつけた目安でそれぞれにわかれます。さらに、今までごちゃまぜだったクラスも高位のもの達から順にA,B,C。また、この頃から特別クラスと呼ばれる、殺戮に秀でたもののみが入るクラスがあります。

高等部では、学科によって分かれます。単体かグループか。その中で殺戮方法や使用武器等で学科となってわかれていきますが、中等部のようにクラスは関係なくなっていきます。

 で、今中等部3年の三つ子たちは、最低クラスと称されるCクラスで、それより最低となるとまた1年からやり直しとなります。が、これは滅多にありえない例なのです。


「1年生に戻るわけではないの」


 先生の口から出た言葉に真白と光安堵する。が、闇夜の表情は少々曇る。


「じゃあ、どうなるんですか?」


 そんな闇夜に気付かずに光聞く。


「…………その、ちょっと言いにくいというか」


「それぞれの能力を生かすということで、3人とも単体となって活動する」


 口篭もる先生の言葉を、闇夜が言う。


「え、マジ? ってか何でそれ闇夜が知ってるの?」


 冷や汗を垂らす真白は闇夜に言った。


「この間、報告しに行ったとき、理事長と先生が話してたの聞いちゃったんです」


「そう、闇夜の言うとおり。あなた達は1人1人としての能力はAクラスだから3年間ずっとこのままだったけど、さすがにずっとCクラスのままだから、いっそのこと単体にしちゃった方がいいかもしれないって話してたの」


 そう言う先生に、真白は聞く。


「これから良い成績残せば、それは回避されるんですか?」


「それはわからない。それを見て単体でやった方がいいと判断されたら別々になってしまうだろうから」


 そんな――――、真白が呟く。真白が今までふざけてやってきたことなんて一度もない。全部真剣にやってあの結果だった。きっと真白個人の能力がAというのは、どんな結果であれ、全員死亡していることだろうと思われる。


「…………おい、何2人とも落ちてるんだよ」


 さきほどから何も言ってない光が、唐突に真白と闇夜に向かって言う。


「こんなの、俺たちが良いコンビネーションで良い成績収めればいいんだろ?」


「光。そんな簡単に言うけど――――」


「できるよ。真白のカバーくらいなんとでもなるっつーの」


 先生の言葉を遮って、光は言い切った。


「俺は、この技術を闇夜のためだけにしか使わないって決めたから、今まで何もしてこなかったけど、こんなことで分かれてたら闇夜のためにつかえなくなるだろ」


 ものすごいシスコン発言でしたが、光は立ち上がると教室を出て行こうとする。


「ちょ、どこに行く気?」


 真白が声をかけると、光はニッと笑って言った。


「帰るんだよ。久しぶりに腕ならさなきゃいけねーしっ」


 そういえばー、と真白は気付く。ここ2年くらい光のアレを見ていない。


「まぁ、光が言うくらいだから大丈夫かもしれないわね。とりあえず、この件は保留ということにしておくわ」


 先生はそういうと、教室から出て行った。


「私らも行くかー」


 真白もニィッと笑って、言うと闇夜も頷いき、2人揃って教室から出て行った。

 光はいつもそうだった。どうしても2人が立ち上がれないとき、光が率先して先立つ。

まるで、2人の行く先を照らす光りのように。

実際先生の言ってることってメチャクチャなときありませんか?

あ、アレです。私現役中坊なんで、そういう年頃なんです。

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