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異世界で始める金融投資!   作者: 鷹司鷹我
第一章 鉄道会社でのストライキ
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一章 第3話

 セージが行おうとしている作戦は、俗に“先物取引”と呼ばれる金融手法を利用したものだ。この先物取引がどういうものか、簡単に説明しておこう。



 そもそも株などの金融取引において、どのようにして利益を出すのかご存じだろうか?


 ひとえに金融取引と言っても、その種類は千差万別ある。しかし取引の多くでは、主に『金融商品の価値変動』を予想して金融商品を売買し、その差額で利益を出すのがセオリーだ。


 例えば、今ここに株価が1000円の株があるとしてみよう。そしてあなたは、この株の価格が明日には1100円に上昇することを知っている。この場合、どうすれば儲かるか?


 答えはそう難しくない。まず今日の内に、この1000円の株を買うのだ。そして明日、1100円になったところで売ってしまえば良い。


 こうすればあなたの手元には、1100円と1000円の差額である100円が利益として残ることになる。とても単純明快な話だ。


 このように、株価が上下するタイミングを見計らって株を売買し利益を出すことこそ、金融取引の神髄と言える。


 では、先物取引とは何か? 


 先ほどは例として『明日になったら株価が1000円から1100円に上昇する』という場合をあげた。では逆に、『明日になったら株価が1000円から900円に下落する』場合はどうだろうか?


 少し考えて貰えばわかるだろうが、先ほどと同じように『株を買う』という方法では、利益を出す事は出来ない。なにせ、もし1000円で買って900円で売ったりしたら、その差額の100円分、損をしてしまうからだ。


 それでは、一体どうすれば利益を出せるのか。答えは単純で、今度は逆に売れば良いのである。


 つまり、株価が1000円である内に株を売ってしまって、そして900円になったら買い戻す。こうすれば結果的に、あなたの手元には100円の利益が生まれることになる。


 しかし、聡い方ならここでこんな疑問を持つのでは無いだろうか?


『株価が900円に落ちることを知っていても、株そのものを持っていなかったら売ることが出来ないじゃないか』と。


 その疑問は、至極もっともなものである。“無い袖は振れない”なんてことわざもあるように、そもそもの株を持っていなかったら、それを売ることが出来ないのは当然だ。


 売るものが無ければ売ることは出来ない。そんなこと、小学生でも知っているだろう。


 しかし、そこで登場するのが『先物取引』と呼ばれる金融手法だ。

 例えば、こう考えてみて欲しい。


『自分は今、株を持っていない。でも明日までには必ず株を用意できる。だから今日は『明日1000円で株を売る』という約束を取引相手としておこう。そして明日、900円で株を買って用意し、その取引相手に1000円で株を売ればいい』


 理解して頂けただろうか?


 そう、先物取引とは『未来に行う取引の約束をする』という手法なのである。これを用いれば、たとえ今自分が株を所有していなかったとしても、平気で株を売ることが出来る(正確に言えば未来で売ることが出来る)。株価が下落する場合でも問題なく利益を出せるわけだ。


 そしてこの先物取引以外にも、例えば『自分は絶対に明日までに株を用意出来るから、今は自分を信じて“お金だけ”払ってくれ。株は明日、手に入れることが出来たらすぐに渡す』と言うように、自分に対する取引相手の“信用”を利用する『信用取引』という手法もある。このような手法を“空売り”と呼ぶ。


 以上のように、先物取引や信用取引による空売りなど、様々な金融手法を用いて利益を手に入れることが出来るわけだ。


 さて、それでは話をセージの実行しようとしている計画に移そう。




 セージ達は今、ジャンベルン鉄道で大規模なストライキが行われるという情報を手にしている。


 言うまでもないだろうが、普通ストライキが発生すると、経営の先行き不透明さから、その企業の株価は下落するものだ。


 つまりセージ達は今、『これからジャンベルン鉄道の株価が下落する』という事を知っているわけだ。


 ではこの場合、セージ達はどうすれば儲けを得ることが可能なのか? ここで登場するのこそ、先ほど説明した『先物取引』や『空売り』だ。


 ストライキが発生する前、つまり今。まだジャンベルン鉄道の株価が高い内に、『将来に株取引を行う』という約束を取り付ける。もしくは『空売り』をしてしまう。


 そして、ストライキが発生して株価が“下がりきった”ところを見計らって、株を購入する。


 あとは、先物取引ならば先に約束しておいた通りに、安く買った株を高く取引すれば良い。

信用取引なら、ただ購入した株を引き渡せば良い。


 こうすればセージ達は、容易たやすく利益を出すことが出来る。


 大まかに言えば、セージ達が行おうとしているのは、以上のような作戦だ。一見簡単そうに見えるだろう。


 しかしこの裏には、恐るべき落とし穴が隠れていることは述べておかねばならない。そして、それに気がついているのはまだ、セージだけだと言うことも。


内容が説明チックになってしまいました。

『読んでも全然わかんねえよ!』と言う場合には、ネットで『先物取引とは』で検索してみてください。文才の無い作者の書いた、こんなわかりにくい文章よりも、よっぽどわかりやすいイラスト付きの説明がたくさんあります。


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