第八十話 最後の転移
レナンジェスは武司と共にファンタジアへ戻る。そして神が住む国へ向かった。
「ここが神の国ですか…」
レナンジェスは唖然とする。何故なら人間、亜人種が巡礼に訪れる場所で天使や女神が説教しているからだ。
「この世界の神は直接、話を聞いてくれるからねぇ。それにただ願えば良いではなく自分の力で現状を変える事の重要さまで説教してくるから信者が多いんだ。特に地球からの巡礼者が多いかな」
武司はクールに答える。どうやら801BL展開以外に興味は無いらしい。
その後、武司の案内で神の王の元へ向かうレナンジェス。
(この人って偉い人なのかしら?神の王様にアポなしで会えるなんて…)
そんな事を考えながら武司の後をついて行くレナンジェス。
「…武司王!いや、ゲイ術神武司!!何をしに来た!!!」
神の王が狼狽える。どうやら性的危機を感じているみたいだ。
「次元の旅人の彼を元の世界に帰す方法を聞きにね。天使や神を襲っても良いけど。男限定で」
武司はニヤリと笑いながら言う。
「しかし…其方は転移と同時に元の世界での存在が消えたのだぞ?この者もそうである可能性が…」
「神の王よ、僕と性的に戦う?」
「ごめんなさい。それだけは許してください…」
神の王は武司にジャンピング土下座をしながら許しを請う。
(武司王って…この人王様なの?それに性的に戦うって…)
レナンジェスがそう考えている時だった。
「我は次元の神である。其方には意味が解らないだろうから…見た方が早いね」
そういうとテレビを何処からか持ってくると武司の戦いを見せる。
(って…これではR18禁映像じゃない!男同士であんな事やそんなとこを…。それに武司さんの能力って「股間の如意棒使い」なの?どう見ても股間の触手使いだけど…)
過去の武司の戦いを見せられレナンジェスは股間にテントを張る。それにしても性的な意味で過激すぎる。
「僕は801的な戦闘が得意でね」
ニンマリ笑いながら言う武司。更には武司のヌードイメージ映像まであるらしい。それも宇宙規模で販売されているとか。
「…戦わなくて良かった」
レナンジェスは思わず呟く。
「中身が女の子だから無理矢理はしないから安心して」
どうやら男には性的に厳しく、女性には性的な事を抜きにして優しいらしい。
「それで元の世界に戻せそう?」
「余裕で戻せるね」
次元の神の言葉にレナンジェスは目を輝かせる。
「それでは魔方陣を描くのだ」
次元の神はレナンジェスに命じる。
(魔方陣を一瞬で出せるようになっていて良かったよ。しかしこれは封印だな)
そう考えながらレナンジェスは魔方陣を床に浮かび上がらせる。
「それでは強く念じよ!元の世界を」
その言葉でレナンジェスはアリウスにゴックンさせられた事やジュドーやライディースに襲われたことを思い出す。同時にミーアの悲し気な顔も思い浮かんだ。
「…あの…君ってゲイ術愛好家?それも両刀使いの…」
不意に次元の神が問いかけてくる。
「いえ、成り行きで…」
その言葉に武司は目を輝かせる。
「あの…R18展開はNGですので…」
「え~、先っちょだけでも…」
武司は股間から男性のシンボルの形をした数千の触手上の如意棒を出しながら淫らな笑みを浮かべる。
「イヤ~、堪忍して~」
レナンジェスがそう叫んだ時だった。魔方陣が光り輝きレナンジェスは転移された。
「ここは…」
レナンジェスが回りを見渡すと「Keep out」と書かれたテープが張られた場所に立っていた。
『ご主人様!』
不意にヒューイとドゥーイが泣き声を上げながらレナンジェスに抱き着いてくる。
「私は元の世界に戻れたのか?」
レナンジェスはそう呟いた時だった。
「…ママ」
『レナンジェス!』
「レナンジェス…我を調教しに戻ってきてくれたのだな…」
涙ながらに言うライディース。
「レナンジェス…そんなに僕と…」
満面の笑みを浮かべるジュドー。そして皆がレナンジェスを取り囲む。
『何があったか説明してもらおう!』
不意にトリプル王子に尋問されるレナンジェス。
「実は…」
レナンジェスは異世界、並行世界の話をする。
「兎に角無事で良かった…」
不意にミーアが半泣きで呟く。
「ところで私はどのくらいこの世界を留守にしていたのですか?」
『2カ月だ!』
トリプル王子が同時に叫ぶ。
「え~!」
レナンジェスは仰天する。それにしてもアリスはカイザルにべったり甘えている。リムルとネイはチャールズに寄り添っている。
「ところで…何があったのですか?」
『聞かないでくれ』
W王子はそう言いながらその場を後にした。
「何ですと!」
レナンジェスはミーアの部屋で思わず叫ぶ。レナンジェスが居ない間にチャールズはリムルとネイと付き合いだしたらしい。カイザルはアリスと付き合っているという。
「結局、わたくしは殿方に縁がありませんでしたわ」
寂しそうに笑うミーア。
「…私が居るではありませんか」
思わずレナンジェスは口にする。
「え?」
少し驚いた表情を浮かべる悪役令嬢はどこか嬉しそうで寂しそうな表情を浮かべていた。




