第七十八話 並行世界
時間が少し戻り、魔族をマッチョにしたレナンジェスは急いで魔方陣の改良を終わらせる。そして早々に異世界から再転位した。
「どうやら成功したみたいだ」
レナンジェスは貴族魔法学院の校舎内に転移が成功したことを確認すると満足げな笑みを浮かべる。
「レナンジェス…」
不意に背後から声が聞こえた。悪役令嬢ミーアだ。
「これはミーア様」
「何でレナンジェスが2人に…まさか…イヤ~」
ミーアが泣き喚く。
「え?」
レナンジェスは唖然とする。
「もう許して…これ以上エロ同人みたいにしないで…お願いします…」
泣きながら懇願するミーア。するとトリプル王子とレナンジェスが姿を現す。
「私がもう1人居るだと…これはもっとエロい展開が期待できるな」
黒い笑みを浮かべるレナンジェスが満足げに言う。
『これ以上…薄い本展開になるなんて…』
トリプル王子は頬を赤く染めながら呟く。
「何ですと?薄い本の展開ですと?それは容認できませんね」
レナンジェスは思わす反論する。
『私達をお嫁に行けない体にした貴男が言いますか?』
振り返るとアリス、ネイ、リムル、ミュージー、ルーアが首輪を付けながら言ってくる。
「それは…」
『愛の証じゃないか』
今度はジュドーとライディースがブーメランパンツにネクタイ姿で言ってきた。
「どういう事だ…」
レナンジェスは唖然とする。
「私の趣味だ。折角、無いモノがあるのだからBLと薄い本展開を思う存分愉しまなくてはならないだろ?」
黒レナンジェスがニンマリと笑いながら言う。
「学生の身分でR18展開は早すぎる!!」
「何を言う?前世では君もいっぱい経験したのではないか?」
「何を言っているの?」
「南 明日香の記憶だよ」
黒レナンジェスの言葉にレナンジェスは唖然とする。彼は方向性が異なるもう1人の自分なのだ。
『ご主人様が2人に…』
不意に半ズボン姿のヒューイとドゥーイがやってくると困惑した表情を浮かべる。
「どうした?」
『ご主人様が2人になったら…体が持ちません…』
急に淫らな笑みを浮かべながら言うヒューイとドゥーイ。黒レナンジェスはショタにも手を出しているみたいだ。
「これではR18枠ではないか!」
「そうだ。R18枠の801だ。それがどうした?」
「それは乙女ゲームへの冒涜行為だ!」
「二次創作とも言うね」
「君とは結着を付けなければならないようだ」
「何故?」
「私は健全な青春を送りたいからだ!勿論、ハーレムは作るけど!!」
「その時点で健全ではないじゃん。だったらR18展開でも良くない?」
「それだけは断固阻止する!これは理屈じゃないんだ!!私の思いなのだ!!」
「仕方がない…自分とベーコンレタス展開も良いかもしれないね」
黒レナンジェスはニヤリと笑う。
「させない!健全な環境は私が守る!!」
レナンジェスは氷の様な笑みを浮かべると水魔法で作ったドレス身に纏い、姿をレナンジェスオカンに変えた。
「それは一体…」
「私の可愛い娘たちを汚したお礼はするわよ」
オカンモードのレナンジェスは冷たい視線を黒レナンジェスに向ける。
「女装…今度はそれで薄い本展開にするわ」
黒レナンジェスはそう言うと魔法で氷の剣を作り出しレナンジェスオカンに攻撃を仕掛けた。
「甘いわね」
レナンジェスオカンは魔法吸収効果を付与した氷の鎖で黒レナンジェスの剣を砕く。
「何ですと!」
黒レナンジェスは驚愕の表情を浮かべる。彼はレナンジェス程に研究熱心では無かったようだ。それどころか男女混合ハーレムを築く為だけに才能を使い切ったのだろう。
「ママは負けないわ!ミーアちゃんもみんなもママが解放する!!」
オカンモードのレナンジェスはそう叫ぶと黒レナンジェスをボコボコにした。
「私は間違っていたの?」
黒レナンジェスは大の字で寝転びながら呟く。
「方向性を間違えていたわね。みんなが幸せになれないハーレムは奴隷と変わらないわ」
レナンジェスオカンがそう言うと黒レナンジェスは一筋の涙を流す。
「みんなが好きなんだ…それを私は忘れていたのか」
「そうね」
「ねえ、今からでもやり直せるかな?」
「あなた次第よ」
レナンジェスオカンはそう言うとレナンジェスの姿に戻る。そして魔方陣を床に描くと元の世界に戻るべく旅立った。




