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第七十二話 秋休みのマッチョスタンビートー1

秋休み間近のある日の事だった。王宮より手紙が届く。


「何々、モブ国Aとモブ国Bの統治を手伝えですと!」


手紙の内容から自滅したモブ国Aは帝国の、モブ国Bは王国の直轄地になったみたいだ。


他国がそれに異を唱えないのは理由がある。既に王侯貴族が滅び、マッチョの群れに占拠されているのだ。


もし、ちょっかいを出したらローション塗れのマッチョにヌルヌルの刑に処されるだろう。


全てのモブ令嬢が他国に嫁いだのは不幸中の幸いだ。


他貴族もこの役目を負うが農業と産業の立て直しには成功したがマッチョの群れを統率出来ないらしい。むしろシュール過ぎて近付きたくないのが本音だろう。そこで過去にマッチョスタンビートを鎮めたレナンジェスに白羽の矢が立ったようだ。


(学生にこんな事を命令するなよ!)


内心で不満に思いながらレナンジェスは小悪魔~ズを伴ってモブ国Aに向かった。




「何だこれは…」


レナンジェスは信じられないと言う表情を浮かべる。街中にローション塗れでブーメランパンツ姿のマッチョが溢れかえり、筋トレと称した重労働をしているのだ。中にはご婦人やゲイ術愛好家にチップを貰いポージングするマッチョまでいる。


『レナンジェスが来たぞ!』


不意に1人のマッチョが叫ぶとレナンジェスはポージングしたローション塗れのマッチョに取り囲まれる。


「あの…」


『プロテインだ!プロテインを要求する!!』


「…はい?」


『プロテインを寄こさねばヌルヌルの刑かマッチョの刑だ!選べ!!』


「それは…プロテインを配給します…」


レナンジェスは支援物資に入れておいたプロテインを配給するとマッチョ達は雄叫びをあげる。


「それで…モブ国Aとモブ国Bの統治を手伝えと言われてやって来たのですが…」


『ならばプロテインを要求する!』


再びポージングしながらレナンジェスに迫りくるマッチョ達。


「あの…統治とプロテインの関連性は?」


レナンジェスは溜息交じりに尋ねる。


『今、マッチョが争うのはプロテイン不足だからだ!故にプロテインが安定供給を要求する!!』


マッチョ達は雄叫びをあげながら答えた。


その日は街の経済状況を見て回る。どうやら生活必需品は揃っているようだ。そして労働力もある。既に農業と酪農は安定している。そしてインフラ整備も終わっていた。更には庶民用の学校まであるではないか。


(王国、帝国貴族は流石だな。経済を回すために衣食住と教育を普及させている。それでも全て行き届くまでには数年は掛かるだろうけど当面の課題は無い。それにしても何故、マッチョスタンビートが起こったのか?)


レナンジェスは警備兵に状況を聞くことにする。そして警備隊長に会う。


「あの…」


レナンジェスは警備隊長を見て途惑う。隊長もローション塗れのブーメランパンツ姿のマッチョであったからだ。それでも現状を把握せねばならない。


「治安はどうなっていますか?」


レナンジェスは意を決して状況説明を求めた。


「治安は良いですよ。マッチョが徘徊していますので」


どうやらマッチョが重労働と犯罪者の捕縛を筋トレと称して積極的に行っているらしい。そしてチップと差し入れのプロテインでポージングサービスまでするとか。


レナンジェスはマッチョスタンビートの経緯を聞く。


「それは…武器を持たぬ平民がマッチョになりブーメランパンツとローション塗れで迫って来れば軍隊も性的被害を恐れて逃げ出します。それと筋肉の防御力は板金鎧並みですから。攻撃もローション塗れで圧迫されれば圧死します」


軍隊はマッチョの群れに即座に降伏したらしい。そして元軍人は追放されない代わりにマッチョの刑と称した筋トレをさせられたとか。


悪政を布いて来た王族や貴族はマッチョのおしくらまんじゅうで圧死するか他国に亡命したそうだ。


そして統治者が居なくなったことを理由に他国が攻めてきた事もあるという。


しかしブーメランパンツとローション塗れの軍団の前に戦意喪失し即座に逃亡したそうな。


結果、統治を帝国と王国に丸投げされたらしい。そこには帝国と王国の経済力を衰えさせようとする意図が含まれているようだが…。


(それはブーメランパンツとローション塗れのマッチョの群れを見たら引くわよね。私は嫌いではないけど。それよりも筋肉が攻防一体の武器になっている事が解せぬ…。あとモブ国家に声を大にして言いたい!、労働が筋トレと言い張るマッチョが居るのだから経済攻撃にならないだろ!むしろ発展するわ!!)


内心で突っ込みを入れるレナンジェス。


「問題はマッチョスタンビートの結果、プロテインが不足したことです。このままではマッチョの群れがプロテインを求めて帝国や王国に攻めかねません」


「ソレハタイヘンデスネ」


棒読みで答えるレナンジェス。


「マッチョ戦争であればポージング勝負になるでしょうが…それ以外の者はマッチョの刑に処されるかゲイ術愛好家マッチョにあんな事やそんなとこを…」


「それは大変だ!直ぐにプロテインを増産せねば!!R18展開は何としても阻止する!」


レナンジェスは慌ててプロテイン増産要請を王国と帝国に出す。


「それで…プロテインは…」


「在庫で1カ月分しかありません」


「それはモブ国Bもですか?」


「それは聞いてみなければ分かりませんが…」


警備隊長は深刻そうに言う。


(そう言えばモブ国Bはプロテイン配給の結果、滅びた気が…)


そんな事を考えている時だった。


『報告します!一部、マッチョがモブ国Bのプロテイン在庫を求めて進軍しました!!』


『何だと!それは一大事ではないか!!』


『それと…モブ国Aとモブ国Bの奥様やゲイ術愛好家が国境付近で応援しに行ってしまいまして…』


『それでは…マッチョ達の戦いを煽っていると?』


『はい…旦那や親せきに特設ステージを作らせております』


『このままでは…兵士がマッチョになった意味がなくなる!直ぐに支度をしてポージング戦争に参加するのだ!!』


『了解です!』


そのやり取りを見てレナンジェスは悟る。平和だなぁと。


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