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第六話 変なフラグが立っているのは気のせいだよね?

その夜の事だった。


『ご主人様の体から他の♂の匂いがします』


そう言いながらヒューイとドゥーイは虚ろな視線をレナンジェスに向ける。


「第二王子殿下の部屋に行ったからね」


レナンジェスはそう言うと2人の目は更に虚ろになる。


(何これ?ヤンデレなのか?2人はヤンデレに進化したのか?ゲームだったらまだ良いけど現実のヤンデレとか重いわ!!あ、悪役令嬢の父親の気持ちが分かった気がする…)


そんな事を考えていると2人はメイド服を捲り上げる。


『王子に負けませんよ』


そう言いながらお尻を向けてくるショタメイド。


(ウホッ、これは良い光景だ。でも…こんな誘惑には負けないんだからね!)


レナンジェスは下半身にテントを張りながら2人を諫める。すると2人は小悪魔的な笑みを浮かべた。


『ごめんなさい。ご主人様に捨てられるかと思って…』


「捨てるとか無いから!それから2人とも彼女作ったりしなよ」


『女性経験はご主人様より豊富ですよ?後輩メイドや先輩メイドとエロエロしていましたので。ご主人様が開発した“コンドウサン”が大活躍でした』


満面の笑みで答える2人。


(何ですと!こんなに可愛いのにやりチンですと!私は未だ童貞なのに…)


精神攻撃を食らったレナンジェスはよろよろとベッドに潜り込む。そして枕を涙で濡らしながら眠るのであった。




翌朝、ヒューイとドゥーイに激しく揺らされて目覚める。どうやら泣きつかれて寝坊したらしい。


「…おはよう」


レナンジェスは精神的ダメージを引きずったままだ。


『ご主人様、眠れないのでしたら添い寝しましょうか?』


学園に来てから隣の従者の部屋で寝泊まりする2人。初めは一緒に寝たがるのだがハーレムを作った後も一緒に寝るわけにもいかないと考えたレナンジェスが従者の部屋で寝るように命令したのだ。


しかし12歳になった2人はレナンジェスに甘えたがる。故に事あるごとに添い寝しましょうかが口癖になっていた。まだ入学して一週間なのにだ。


「それは遠慮しておくよ」


レナンジェスがそう言うと少し寂し気な目をする2人。


(だから小動物的な視線は反則だって!)


内心で2人に突っ込むがそれを言うと泣きそうなので止めておいた。




(学生食堂が…男の娘に侵略されている…)


レナンジェス達が食堂に行くと侯爵家令嬢や伯爵家令嬢にヒューイとドゥーイを連れて行かれる。


『はい、アーン』


そして目の前では男子が憧れる光景。女子数人にアーンして食べさせてもらえるヒューイとドゥーイ。


『もう、可愛いんだから』


どうやら令嬢たちに2人の従者は人気があるようだ。


(というか乙女ゲームのモブとは言え何故、私の従者とイチャつく?普通は攻略対象にすることだろうが!もしくは同じ爵位の者とだろ!周りの男性貴族を見よ!皆、血の涙を流しているではないか!!)


内心では羨ましいと思いながら男爵家のモブ令嬢と会食をするレナンジェス。


「貴女方、はしたなくてよ」


不意に切れのある声で食堂が静まり返る。声の主を見ると悪役令嬢のミーアだ。


(超絶グッドジョブ!)


レナンジェスは内心でそう思いながら席を立ちヒューイとドゥーイを回収する。


「従者がお見苦しいところをお見せして申し訳ございません」


レナンジェスはそう言いながらミーアに頭を下げる。


「貴方の責は問いませんわ。侯爵家と伯爵家の令嬢がご所望なのですから」


(ミーア様…なんて常識人なの!)


レナンジェスが感動している時だった。


「ならば俺様が借り受けよう」


その言葉で食堂はザワツク。何故ならばトンデモ発言をしたのが普段は食堂に現れない第二王子アリウスだったからだ。


「殿下…そのようなはしたない事は…」


「良いではないか」


そう言う第二王子は主人公のミュージーを伴っている。それを見たミーアは暗い顔をして黙り込む。


「王子様よぉ、婚約者の前で他の女を連れたり、家臣の従者を使うのは無しじゃないかぁ?」


そう言って現れたのは隣国の帝国皇太子チャールズ=ドラキュラであった。


「フム、隣国の客人と言えど其方には関係のない事だ」


そう言って席に着くとヒューイとドゥーイに“アーン”を所望するアリウス。


『殿下、アーン』


2人の従者は主人のポイント稼ぎとばかりに可愛らしくアリウスに朝食を食べさせる。


「やれやれ、こんな美人で知的な婚約者の前でよくそんな事が出来るな」


チャールズは呆れ果てた顔をする。


「ウム、これは良いものだな。レナンジェスも加わるがよい」


(え?私に食べさせろですと?何ですか?この変なフラグは?)


レナンジェスが途惑いだす。


「殿下がそのようなはしたない事をするのは如何なものでしょうか?」


今度は別の席から発言する者が居る。


(あれは…大公家嫡男のライディース様…あのクールビューティーの半面、甘えん坊なキャラに萌えたのよね)


「ライディース、アーンしてもらうと美味な食事になるぞ」


「なるほど、殿下がそうおっしゃるなら…レナンジェスよ、我にあれをしてくれ」


(何言っているんですか!キャラが壊れるから!あんたのギャップ萌えファンに謝れ!!)


そう心の中で悪態つきながら仕方がなくライディースに食事を食べさせる。


「もう一回セリフだけ言って貰えないか?」


「ライディース様、アーン」


レナンジェスがそう言いながら食べさせる振りをするとライディースは頬を赤らめる。


(何いまの?ちょっとドキッとしちゃったじゃない!)


それはレナンジェスだけではなかったらしい。他の貴族の少女もライディースに見惚れている。


(それにしても…おかしいだろ!)


レナンジェスは心の中でそう叫ぶ。そんな彼をライディースは妖淫な眼差しで見つめていた。


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