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第四十六話 ラブレター?

「お手紙です」


学院職員がレナンジェスの部屋にやってくると大量の手紙を置いていく。


『何でしょう?』


小悪魔~ズは怪訝な表情で手紙を開いた。


『好きだ!俺とヤ・ラ・ナ・イ・カ!!』


『将来、僕の愛人に…』


『女装は控えめにして!私のHPは残り少ないわ!!』


『目覚めちゃいました。お姉さまと呼んで良いですか?』


こんな内容の手紙が多い。


『ご主人様、捨ててきますね』


小悪魔~ズは無表情でそう呟く。


「貴族の手紙をゴミ箱に捨てるのはまずいだろ。暖炉の薪代わりに燃やしなさい」


『まだ残暑が残る季節に暖炉はどうでしょうか?』


「では冬場に使おう」


その言葉に小悪魔~ズは不機嫌そうに手紙を纏める。


(モテ期だな…相手は男が多いけど…)


レナンジェスはため息をつく。そして少し地味なメイクをすると教室へ向かう。




「ママ、今日は地味に見えるわ」


アリスが不満げに言う。


「メイク次第で印象は変えられるのよ」


レナンジェスはニコリと微笑みながら言う。


「そうですの?」


「えぇ、それに眼鏡を掛ければ」


「…ママが地味系委員長タイプににっちゃった」


「ね、メイクや小道具でいくらでも印象は変えられるでしょ?」


「ブスにもなれるの?」


「そうね。でも、殿方には顔以外でも勝負できるわよ」


その言葉に周りの女子が聞き耳を立てる。


「例えば…」


レナンジェスは素早くメイクを落とすと今度は不細工に見えるメイクを施す。そしてニコニコしながら明るい雰囲気を醸し出した。


「…明るい醜女ね」


「そうね」


そう言いながらさり気なく周りの男子に気を遣う。すると男子は可愛い女子を見る目に変わった。


「気遣いが出来て性格が良いと顔は関係なしに男性に好印象を与えられるのよ」


「でも、第一印象が全てを決めると言いますわ」


「美人は3日見れば飽きると言うけどブスは3日見れば慣れるわ。慣れた所でその子の性格の良さが常に滲み出るのに気が付いたら?」


「好きになるかも」


アリスの言葉にレナンジェスはニコリと笑う。それを周りの女子が一生懸命メモを取っていた。


「だったら美人で完璧な女だったら無敵じゃない?」


「そうでもないの。美人で完全無欠だと殿方は気後れするわ」


その言葉に男子が大きく頷いていた。




翌日、レナンジェスの部屋に大量の手紙が届けられる。


『好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、好き、…』


『お前は俺のモノ、お前は俺のモノ、お前は俺のモノ、お前は俺のモノ、…』


『私だと思って大事にしてください』


髪の毛や爪、血で書かれた手紙まである。


「これはちょっとね…」


レナンジェスは青い顔をして呟く。


『先生に言ってきます』


小悪魔~ズはそう言うと部屋を飛び出す。そしてあろう事か第一王妃を連れて来た。


「これは…病んでいるな」


『先生の出番です!』


「カウンセリングが必要ね」


そう言うと第一王妃は部屋を出ていく。


「大事になるな…」


レナンジェスはそう呟き紅茶を飲み干した。




翌日、大勢のモブ男子と少数のモブ女子が生徒指導室に呼び出される。そして事情聴取したところ原因は解らなかった。


試しに聖女ミュージーに“解呪”させた途端に皆が正気に戻った。


そこでレナンジェスを調べたら女装時のみ、特に男を魅了するフェロモンが放出されるのが検査結果から判明する。


「そう言う訳で今後、女装は禁止だ」


第一王妃は残念そうに言う。


「何故、女装でそうなるのですか?」


「レナンジェスが女装すると其方から魅了のフェロモンが放出されるのだ。しかも男子かBLに目覚める」


レナンジェスは唖然とする。


「女装男子特有のモノかもしれないし其方の体質かもしれない。兎に角、学園での女装は禁止だ」


「あの…王子様にもそれは効いていましたか?」


「いや、恋する男子には効かないな。恋する男子に魔法は無効なのかもしれない」


「それはある意味恐ろしいですね。兵器になりそうですよ」


「そうだな。本来なら恋する女子は綺麗になる程度だからな」


第一王妃はそう言いながら苦笑いを浮べた。


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