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第三十二話 乙女ゲームに居ないキャラが現れた

帝国3daysコンサートは大盛況に終わる。


「大変だった…」


レナンジェスは控室に戻ると溜息をつく。何しろ3日とも違う演出をするのだ。


更に観客の入場時間内はブルックリンのライブ映像を流したり指示等大半は彼が取り仕切ったのだから。


『流石はレナンジェス様ですね』


悪役令嬢ミーアの従者は疲労困憊でレナンジェスに話しかけてくる。


「いえ、2方にもダンサーとして活躍して貰った甲斐がありました」


レナンジェスは疲れ気味の笑顔で言う。


「ハァ…指が痛いですわ。ピアノは得意でしたけれど…ここまで早く弾く事はありませんでしたから」


悪役令嬢ミーアもお疲れの表情だ。


(やっと解放される…それでも明日は打ち上げパーティーだし明後日からは移動で2日取られる。結局、ろくに遊べずに夏休みの大半が終わってしまった)


レナンジェスは白い砂浜に青い海、そこに広がるフンドシの男子、水着の少女達の楽園を脳裏に浮かべながら天井を見つめていた。




「今日は無礼講だぁ。それではぁ成功を祝してぇ乾杯」


チャールズの音頭で皆がグラスを掲げる。そして立食パーティーが始まった。


「カイザル王子、こちらが大公家令嬢アリスである」


皇帝は1人の可憐な少女をカイザルに紹介する。


「お初にお目に掛かります。帝国大公家が嫡女、アリス=キーツですわ」


そう言いながら優雅な仕草でカイザルにお辞儀するアリス。


「朕は王国第一王子カイザルである。此度、お目に掛かれて光栄である」


カイザルは凛々しい姿で無敵のスマイルを令嬢に向けた。しかしアリスは無反応だ。


「後は若い者同士で」


皇帝はそう言うとアリスを残しその場を去る。そして3人の少女を呼ぶとレナンジェスの元に訪れた。


「こちらが公爵家のネイ、エマ、イリアだ」


皇帝がレナンジェスに紹介する。ネイはレナンジェスと同い年だろう。エマは小悪魔~ズくらいでイリアは8歳くらいだ。


「お初にお目に掛かります。王国ハックマン子爵家が嫡男レナンジェスと申します。公爵様にお目に掛かれて光栄であります」


レナンジェスは跪いて3人の少女に挨拶をする。


「公爵家長女のネイ=カーンです」


彼女はそう言うとレナンジェスを見つめる。


『姉さまはレナンジェス殿の大ファンですの』


妹2人がそう言いながらキャッキャと騒ぐ。その言葉にネイは恥ずかしそうに頬を赤く染めた。


「レナンジェス殿、あたしと言うものがありながら!」


不意に乱入してくるリムル。


「そちらの淑女は?」


ネイがレナンジェスに尋ねる。


「失礼いたしました。王国ゾイド侯爵家が長女リムルと申します」


そう言いながら貴族らしい挨拶をするリムル。


「ネイ様に申し上げます。レナンジェス様にはあたしと言うフィアンセがおりますの」


「…そうですの?」


悲しそうな表情を浮かべるネイ。


(これはあれだ。好きな声優やアイドルに恋人が居たら発狂するファンの一歩手前状態だ)


そう判断したレナンジェスは即座に否定する。


「酷いですわ!あたしを調教してくださらないのですか!」


大声を上げるリムル。


「失礼いたします。私は王国トーラー大公家嫡男ライディースと申します。少しレナンジェスをお借りしても?」


クールに装いながらその場からレナンジェスを連れ出そうとする。


「抜け駆けは許しませんよ!恋人繋ぎしながらこの場を離れるなんて!」


リムルがそう言ってレナンジェスにしがみ付く。それを見ていたネイは瞳を輝かせる。


「つまりレナンジェス様と結婚したらエロ同人みたいな展開になりますのね!」


「ネイ様…解っていらっしゃるわ」


そう言うと2人の少女は手を取り合う。


(おい…皇帝はこれを見越して婚約を進めたな!なんて事をするんだ!!これでは私が鬼畜ではないか!!!)


心の中で叫びながら皇帝を見るレナンジェス。皇帝は目を泳がせている。


(確信犯か!)


しかし皇帝相手に水を頭から掛ける訳にはいかない。


「皆様、下品ですわよ」


悪役令嬢が見かねてそう言う。しかし隷属欲求が強い3人はそれを聞こえないふりをする。


「なぁ、ミーア嬢を困らせるなよぉ」


チャールズも見かねて戒めるが効果が無いようだ。


「わたしは王国マッケンシー公爵家が嫡男ジュドーと申します。レナンジェスを少し借りますね」


ジュドーはそう言うとあっさり3人からレナンジェスを引き剥がし食卓に連れて行った。


(なるほど、料理を取る者に話しかけるのはマナー違反だ。ジュドー…やっぱり好き!)


そう思うのも束の間、ジュドーは恋人のモブ侯爵&伯爵令嬢とイチャつきながら料理を選んでいる。


(前言撤回!お前は敵だ!美少女に二股を掛けるとはウラヤマけしからん!!)


心の中で血の涙を流しながらレナンジェスは叫んでいた。


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