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第一話 どうやら乙女ゲームの世界に転生したらしい

私は「南 明日香」という平凡な会社員だった。

普通に恋愛し彼氏もいた。私の純潔も彼に捧げた。平凡なりに幸せな時間を過ご

していたと思う。ありふれた生活と隠していたオタク趣味。それだけで満足だったのだ。


そして平凡であるけど幸せな家庭を築いて普通の人生を全うするものだと思っていた。そう・・・あの日までは。




気が付くと見知らぬ天井を見上げていた。


(あれ?残業していて…その後の記憶が無い。それに私の体が…赤ちゃんになっている!何が起こった?)


そう考えている時だった。赤髪でドレス姿の女性が入ってくるなり彼女を抱き上げる。


「レナンジェスちゃん、おっぱいの時間でちゅよ」


そう言うなりドレスの紐をメイドに解かせると豊満な乳房を曝け出すと授乳させる女性。


(レナンジェス?どこかで聞いたモブキャラの名前…いや、偶然よね。そんな事より何故、日本語を話している?ここは海外ではないのか?)


そう考えながらもおっぱいを吸い続ける。


「レナンジェスちゃんはきっと美青年になりちゅね」


この世界の母らしき女性が口元に笑みを浮かべながら言う。


(ちょっと待った!もしかして転生しちゃっている?私に無かったものがあるの?生えちゃっているの?もしかして…女の子にあんな事やそんなとこを…ってイケないわ!百合の世界に行ってしまうのね!!…って男と女だったら普通でした。テヘペロ)


変な妄想をしながら何時しか眠くなる。


(将来、イケメンになるのならばハーレム作れるじゃない。決めた!ハーレム王に俺はなる!!)


そんな事を考えている内に何時の間にかスヤスヤと眠っていた。




(暇だ…実に暇である)


生後一カ月のレナンジェスはそう考えながら周りを見渡す。まだ寝返りも上手くうてない。


この1か月で集めた情報はこの世界はデワンノネワンノと言う世界のローデス王国である事。自分がハックマン家の長男レナンジェス=ハックマンである事。この世界には魔法がある事。そして一番の驚愕の事実は言語が日本語である事だった。


(まさか魔法があるとは…。しかも世界の名前と国名が神ゲー「ときめき魔法学院」と同じなのは何故だろうか?それよりも…魔法を是非とも使わなければ!)


そして魔法の使い方を考える。とりあえず暇なのだ。前世の乙女ゲームの魔法発動条件を考えながら順番に実行してみた。


(何も起きない…でも諦めたらそこで試合終了よ!がんばれ私!)


しかし諦めたら負けな気がしたレナンジェスは次々とゲームの魔法トレーニングを実行してみる。すると瞑想しながら体内に意識を向けると魔力らしきモノを感知できることに気が付いた。


(これは…大きくするイメージで)


すると少しずつではあるが魔力が上がっていくのを感じる。


(これは…「ときめき魔法学院」の設定が使えるですと!まさか乙女ゲームの世界に転生したのか?だったら…魔法を極めて…)


そう考えている最中にレナンジェスの意識が朦朧とし何時しか気絶していた。




「レナンジェスちゃーん、お願い!目を覚まして~」


女性の悲鳴のような声で目が覚める。


「どうやらMPポーションが効いたようですな。それにしても魔力が枯渇する病気は初めてですぞ」


医者らしき者がそう言いながらレナンジェスの顔を覗き込む。


(おっさん、顔が近いから!それに触らないでくれる!それセクハラだから!!)


そう口に出したつもりが周りから見ればギャン泣きだった。


「フム、ご苦労であった」


不意に現れた赤髪に髭を生やした渋いおじ様がそう言うと何やら袋を医者に渡す。


「ハックマン子爵、もしもの事を考えてMPポーションは余分に置いておきます。それでも原因が解るまでは御子息から目を離さないでください」


「ウム、相分かった」


渋いおじ様はそう言うと医者をメイドに送らせた。


「良かったわ~、レナンジェスちゃんが元気になって」


医者が席を外すなり母はレナンジェスを抱きしめる。


「漢は元気でなくてはな」


そう言いながら渋いおじ様は顔を綻ばせている。


(もしかして…この人が父か?初めて見たぞ?まさか…別居生活では…)


そう考えながら2人の会話を盗み聞く。どうやら父は王都に出かけていたらしい。


「まさか儂が帰って来た日に息子が意識を失うとは…」


「偶然ですわ。それに旦那様がいてくださって心強かったですわ」


そう言うとレナンジェスをベビーベッドに寝かせ2人は舌を絡め合う。


(あの…貴男方の息子は行為の内容を理解しているのですが…。これは新しい性教育のつもりですか!両親の絡み合いを見せられるのはきついわ!!)


そう考えたレナンジェスはギャン泣きしてみる。すると2人は途中で行為を止めてレナンジェスを微笑みながら見つめるのであった。


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