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勘当されたので冒険者始めます。  作者: ジャガバター
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12、剣

「お前ら、本当に言いにくいが俺は重要なミスを犯してしまった。」



 シリルさんからのよくわからない告白が言い渡されたのは最初の特訓から一か月後、つまり、最後の特訓の日だった。



 「俺は、俺は、お前らに魔物との闘い方を教えるのをわすれていたんだ!!」



 「え?あ、そうですか、、、、、。」



 っていうか魔物との戦い方ってなんだよ。



 「お前たちがこれから戦うのは水晶でもなく、俺にでもなく、魔物になんだよ。魔物の種類も色々あってそれぞれの魔物にどういう攻撃が効くのか、そういうのも教えてやらなきゃいけなかったのに忘れてたんだ。あと、気づいた。、、、、、お前ら、防御力0だよな?」



 あ、、、、。



 「ということで、今日は実践練習をする!」



 「シリルさん、、、、漢字間違ってますよ。実戦でしょ?こんな事してたらまた作者に茶番やらされますよ。(10話の後書き参照)」



 「おぉ、、、、茶番はもう懲り懲りだぜ。あの作者め、シリアスなシーンで俺が噛んだだけであんな頭おかしい茶番やらせるなんてどうにかしてるよな。」



 「二人とも、早く本題進めましょう。」



 「ゴホン、それでだ、今日はDランクの魔物を倒しに行くぞ。そいつは攻撃がとにかく小っちゃくていっぱいあるんだよ。あと、とにかく攻撃を当てるのが難しいし、体の形をコロコロ変えるんだ。だから、どういう攻撃をするのか見極めるのに役立つ。」



 「え、、、、?めっちゃ強そうじゃないですか?それ本当にDランクなんですか?っていうか、俺達Dランクの魔物倒せるぐらい強いんですか?」



 「一撃当たれば死ぬからな、、、、。あと、セイディーの補助魔法もあるし、お前らなら絶対倒せると思うぞ。」


 

 「分かりました。」


 

 今日で見習い期間が終わるので、これで晴て冒険者になったという事だ。



 「じゃあ、まず剣を買いに行くぞ。」



 そっからかい!




 









 と、いうことで、剣を買いに来た。場所は、ギルドと並び、世界でも有数な剣の老舗のお店だ。シリルさんも行きつけにしているらしい。


 「親父さん、今日は弟子どもを連れて来たぞ。」


 「ああ、お前の弟子か?おお、可愛い子じゃないか?」




 「、、、こいつには、この短剣が合うな、、、、。」


 え?鑑定持ちか?



 「その通り、この親父は鑑定持ち。しかも、Aランクだ。だから、お前らの必要な剣も直ぐに見破ることが出来るんだよ。」


 なんで心読めるんだろう、シリルさん。


 「あと、お前には、、、、、、、、、、、、悪い、ちょっと待て、、、、、分からないんだ、、、、お前には、かなり凄い剣が見合うのは分かる、でも、問題はそれじゃないんだよ、、、、、、、、、、、、、、、、、ちょっと来い。」


 

 え?何?怖いんだけど、、。

 連れていかれたところには店と繋がってる家の、そのまた奥の地下室だった。


 

 「見ろ。」


 小父さん(おじさん)が松明を近づけた場所には1本の剣が置かれていた。


 「どっちの方がいい?」


 一つ目の剣は柄が青と黄色っぽい白で、大きく、光が溢れ出しているような美しい剣だった。


 「こっちの剣は1000年前勇者が使っていたとされる剣だ。」


 「え、、、、?でも、何故ここに?」


 「儂の一族は代々この剣を守り続けたんだよ。なんせこの剣が俺達を魔王から救ってくれたんだからな。」


 「そんな大物なのに!いただけませんよ。」


 「いや、お前はな、お前は、、、これを持った方がいい。ま、これだけじゃなくてもう一つ選択肢があるがな。それが、これだ。」


 そう言って小父さんが向かったのは、一つ扉の先だった。そこには、籠のようなものに入った、一本の剣があった。その剣は異様なほど漆黒に輝き、持ちては刺々しく加工され、黒に近い紫色が黒光している、気味が悪いが同時にどこか惹きつけられるような剣だった。


 「これは、、、魔王が使っていた剣だ。」


 「え?」


 「でもな、この剣は中々使いならせないぞ。相当の力を持っていないとな。ある意味、勇者の剣より使いこなしが難しいと言われている。でもな、だからこそお前さんに貰ってほしいんだよ。お前ならこの剣を他の誰よりもいい方向に使ってくれる。そう言い切れるほどの力があるよ、お前さんには。」


 「え、、、、。」


 そんなこと言われても、頭が混乱してよくわからない。何?なの伝説の勇者に伝説の魔王の剣だと?そんな物、手におえる訳がない。何故この小父さんはこうも平然としているんだ?


 「何故そんなに平然としているんですか?」


 そう訊くと小父さんは、ちょっと寂し気に言った。


 「伝説っていうのはな、千年もたてば新しいものができるもんよ。昔からそういわれてるんだよ。それにな、お前さんには千年に一度程希少な才能がある。俺には分かるんだよ。」


 そういうと、今度は必至な顔で頭を下げられた。


 「これは俺からのお願いだ。どちらかの剣を受け取ってくれ。二度とお前みたいな人材には出会えないかも知れない。お願いだ。」



 「、、、じゃあ、借ります。それでどうでしょうか?もしも自分の身の丈に合わなかったら返します。それでどうでしょうか?」


 「ま、それで良いだろう。お前さんもそれ以上は食い下がらないだろうしな。」


 「はい。」


 「じゃあ、どっちにするんだ?」


 少し考えたが、直ぐに決まった。というより、そっちにしないと駄目な気がした。必ず後悔するような気がした。


 「この剣で。」

 

 「本当にいいのか?」


 「はい。」


 「ほら、じゃあ、後悔するなよ。」


 そう言って、小父さんが手渡してくれたのは「魔王の剣」だった。











 「お前、、、それって、、、、、、。」


 「魔王の剣?」


 「これを付けておけ。」


 「え?あ!、、」



 小父さんが光っているガラス玉のような球を剣の柄に打ち付けると、剣が光り、黒っぽい外見が普通な剣になった。



 「これは一緒に保管していた球だ。見た目を普通にしてくれる。」

 

 「そんなものまで付いているのか。」

 

 シリルさんが感心した声で言った。


 「効果は変わらないが魔剣に見えないため、魔王が人間に化けるときによく使っていたそうだ。」


  

 「じゃあ、これは、借りておきます。本当に身の丈に合わないかも知れないのでもしそうだったらすみません。」

 

 この言葉を最後に俺達は店を出て実戦へと向かった。






 



 「お前、そっちにしたのか。」


 「はい。」


 

 

 



 

 



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