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わんこシリーズ

わんダフルオンライン 短編

作者: 犬塚ぽち

あっちに行ったぞ!


向こうに逃げた!


移動出来ないはずの場所に行った!


回り込め!



何人もの叫び声が聞こえるなかで、俺は必死に走り回り、逃げ続けていた。

何故こんな事になってしまったんだ。


「見つけたぞ、レアモンスター!」

いい加減に苛ついてきたので、相手に文句を言うために息を吸って声を出す。


「わんっ!」


_____________________________


マイワールド シャイニング オンライン

通称 マイワシ


産まれた時に発行される生体登録番号で1人のキャラだけを作成出来る失敗したら修正も何も出来ずに頑張るしかない大人気オンラインゲーム


そんなオンラインゲームで登録時に作成する自分自身の姿は直接作成出来ずに両親の姿を作成してその娘か息子を選んだ上で始まるまでどんな姿か分からないという謎仕様


作成するのが面倒だった俺はランダム(面倒な人用)と書かれたボタンを押して即スタートした、その結果が…


___________________________________


『こんなんだよっ!?』


俺の前に正座で並ぶプレイヤーを威嚇しながら怒り続ける、感情に従い毛が逆立ち、それと同時に相手が困惑しているのもわかる。

「何言ってるかわからねぇ…」


俺は人にすらなれなかった。


「なんで俺達、ポメラニアンに怒られてるんだ…」



落ち着いた(吠え疲れた)ところでレベルを上げるために狩りを勤しむ事に

今日のお相手は角を生やしたウサギさん

他の人は剣とか槍とか魔法とかで戦っておりますが、私めは牙がメインとなりますので、突進してきたウサギさんをいなして首筋へと噛み付きます、あとは暴れる体を押さえつけてガウガウと牙を突き立て続けて倒します。


近くで見ていたプレイヤーさんからのどっちがモンスターだ、あれ的な視線には慣れました。

しかし、納得がいかないのはモンスターを倒した際にこうゲーム的なキラキラが他の人は出るのになんで私だけ血飛沫なんでしょうか、出て来い運営、噛み付いてやる。



そんな訳でGMさんへ連絡開始、返事はすぐ来た。

《レアおめw》

目の前に来やがれ、貴様の脛に噛み付いてやる、その様な旨をオブラートに包んで返信したところ、すぐに来た。

「え…本当に犬なの?」

なんでお前が驚いてるんだよ。


話してわかった事がいくつか、本当に低確率のレア職らしい、ポメラニアンは職なのか?

それと転職は可能という事、転職ツリーを見た瞬間に噴き出したので脛に噛み付いてやる、しかしステータスの差かなんともなさそうな上に頭を撫でられる。

落ち着け尻尾、奴は敵だ。


頑張ってね、と頭を撫で続けるGM、悔しいので反撃に出るために上を見上げる、奴はスカートだ。

顔を踏みつけられる、動物虐待反対。


とりあえずプレイヤーから攻撃されないようにGM権限で対人無効の設定にしてもらえた、対人イベント等に参加出来なくなったが人が多いイベントなど踏み潰される未来しか見えないので問題はない。



転職に未来を託してひたすらにレベル上げを進める、人型になれるといいなぁ…

〈レベルが上がりました〉

お、あがった

〈毛並みの艶やかさが上がりました〉

やかましいわ、ちくしょう。


喋れない主人公、難しいわ…

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