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救助隊のまねごと

<SideChange name = "We" >


最近、頻繁に現れる男に索敵と探索っう理由づけで、肩にのせられ運んでもらっている。

この男、この世界の住民には『マレビト』とよばれている。

その存在は知られているが、周囲は避けず近寄らずと自然に対応している。

通い始めた、保育園で美乳保母さんに、どうしてと聞いてみたのだ。


『マレビト』は過去に何度も現れたことがあって、不思議な力と道具を持っていた。

その恩恵は、小さくなく、住民は、幾度となく頼りにしたが、ある日災いをもたらした。

のちにも、何人か訪れたが、多数の要望を叶えるという恩恵を与えたのちに、足を掬われることになる。

そして、なにも要望さえしなければ、しっぺ返しもまず起こらないと気がついたそうだ。

だからそれ以降は、ごく自然に空気対応することになったという。


わしの考えとしては。

それは『マレビト(ゲームプレーヤー)』が、NPCのしつこいおねだりにヘソを曲げたんだよ、とね。

まっ 不心得な、プレヤーもいるしな。


うっ、緊急事態だ。

突然にソレはやってきた。

額に脂汗がにじみ、思考がソレについてしか受け入れない。


頭を叩いて、身を隠せそうな所を指す。


見つけていた肩ぐらいある茂みの向こうへ回り、下を脱いで、上に置くと腰を下ろした。

ほぼ同時に放出感と開放感にひたる。

ふぅー、危なかったわい。


この身体になってから、どうにも尿意の我慢ができない。

そのくせよくのどが渇くので水分補給が習慣となっているんだな。

リアルはメタぼったから、ひょっとして糖尿の恐れありか?

この春から医大生になった甥っ子に聞いてみとかなきゃ。

あっ、連絡方法がなかったんだ。


落ち着けー>自分。


やっと気持ち余裕が出てきた。

自分の出す音と環境から届く音に耳を澄ませるひと時。


あれ?


うちのメンバーではない、人の声。

それもうめき声と、闘う音。

人ならざる物の鼻息。


まずいぞ。

これは、非常にまずい。

一刻も早く対応しないと。


アイテムボックスを開き、紙を手にして、雫を拭く。

慣れたものだ。

今度はゴミ箱を開いて、紙を投げ入れた。


ふっ、もう一人でトイレが出来るんだぜ。


フードを下ろして、耳を出し方向を確認する。

間に合わないかもしれないけど走りだした。


死んだ覚えはないから、転成でなくトリップなんだろうな。

太陽の下、明るいところではすぐにバテていたが、この鬱蒼とした樹木の下は、快適で身体が軽い。

これがリアルではメタボだったわしが、アルビノエルフにメタモした為なのか分からないがねぇーーっ。

ああ、エルフって森人っうぐらいだから、森では多少補正があるかもな。


中央に朽ちて倒れた大木の残滓のある、開けたところに出る。

戦さ場はここだった。

大きなイノシシが、男女二人の冒険者と向かい合っている。


イノシシと言ったが異様だ。

大きさもさることながら、背中から、一対の人の腕が生えている。

その腕には、片方の膝から下を失った息も絶え絶えな冒険者が持ち上げられている。

口には血の跡がある。人喰いか?


大イノシシの魔物にダメージは見受けられない。

反して冒険者側は、傷だらけた。

女剣士は、キバに突かれたのか出血する脇腹を押さえ、力なく剣を構えているが、もうすぐ支えきれずに持つ腕は下がるだろう。

女を守るように、男が大きな盾を構えるが、片方の肘から先がなく血が滴り落ちている。


咽せるような血の臭いが別な方角からも漂う。

数人の冒険者が倒れているのを発見する。

風下だったか。

ごくり。のどが鳴り、なんか渇きを覚える。


じり貧だな。

ギリ届く位置に、朽ちて倒れた木がある。

いそいでよじ登り、状態異常弾をパチンコで撃つ。

あわてていると当たんないものだが、普段から当たんないのに、今回は鼻に当たった。

大イノシシはくしゃみをして、こちらを見た。やっと気づいたみたいだ。


目の前の二人に興味を無くしてくれた。

つかんでいた重傷者を男女に投げつけて、こちらに向かって、突進してくる。


明らかに、わしピンチ。


ポン○達の足音が近くまで来ている、巻き込んじゃうが、なんとかしてくれると信じてるよ。おい。


接触する寸前に、躱すぞ。


ちびりそうだぜ。口の中がカラカラだ。


わふっ。


視界を白い何かで塞がれた。

タイミングがわかんなくなったぞ、このやろーーっ!


</SideChange>


 下半身丸出しの幼児が、倒木の上で仁王立ちしている。

 自分のヘイトを上げて満足している後ろ姿に腹が立つ。


『わしはウィを保護したあと負傷者に対応するので、二人はモンスターをお願いします。のちに応援いきますから、みなさん逝かないでくださいよ』

 パーティト~クで伝言する。


「忘れ物だぞっ」

 カボチャパンツを頭からかぶせて、片腕で抱き上げて横に逃げる。


 体型からは想像できない、快足なポン○が、間にはいる形でモンスターを迎え撃った。

 突進系は、正面からでなくすれ違いざまに攻撃をヒットさせる。


 ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


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