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Oh! まいふぇいばりっどケモミミ

 形のいいお尻をした獣人のおねいさんがトレーに注文された物を乗せて運んでいる後ろ姿に思わず声が漏れた。がだ。

「「「お、おーっ」」」

 なぜかハモってしまう。

 自分に加えポン○とウィが、ぎょっとなって相手を見るとしまったという表情をしているな。

 ポン○とはにやりと微笑みあうが、さすがに幼児相手に『おお同志よ』とは行かず力なく笑うしかない。


 道中にエルフの子供と聞かされていたが、ひょっとして成人したドワーフだったりするかもとw。

 だがナナ○は大人でスルーしてくれた様子だが、も一人の幼児がやれやれ感いっぱいのため息をつきながら相方をなじりはじめた。


 気になるちびっ子のことはひとまずおいといて、拠点登録の手続きにカウンターに向かうことにする。


 ポン○達4人もちびっ子の新規登録で、ぞろぞろと移動してきた。

 5つの窓口があって、天井からぶら下がるプレートで、左から汎用の受付が3つと、精算?素材換金のが2つあるようだ。

 案内カウンターがないのは、汎用窓口で対応するのだろうな。


 すでに左の1つはクエストの受注中らしくて、数人の男女がわいがやしている。

 一歩引いた位置で、一目で高級品と分かる汚れていない装備をつけて腕組みをしてる、いかにも高慢な人族のオンナがいるが無視をする。

 かかわるとイベントフラグが立ちそうだ。

 だが子づれ四人組を関わらせないように、真ん中のネコミミ嬢へ笑顔で「よろしく」と寄っていく。

 好みか好みでないかと言えば、とーっても好みだ。


 この町に着いてから、出会うNPCのAIと造形は、すばらしく製作に拍手を送りたい。

 まるで本当に生きているみたいだ。 これではプレヤーとNPCの差が分からない。

 四人は残った右のウサミミ嬢の窓口へ進んだ。さて自分のことを片付けておこう。


「ようこそ、今日はどのようなご用でしょうか」

「他のギルドを拠点にしているが、活動範囲を広げるために、ここをサブ拠点に加えたいのだが。これなんだが、やってもらえるか」


 身分証明でもある冒険者カードを差し出した。

「はい手数料は、銀貨1枚で承りますが、よろしいですか」

 銀貨一枚は約千円ほどだ。


 ツールメニューのウォレットから、金額を設定すると、ポケットに入れた手の中にその額のコインが現れ、カウンターに置いた。

「ああ。それで頼む」

「では、カードをお預かりさせていただきますね」

 ネコミミ嬢はカードを裏返して、一瞬眉をしかめて、背後の資料立てから、台帳をとって開いた。

 チラ見すると中身は、ギルドのマークが記載されているようだな。

 なぞっていた指が止まり刻印されたギルドーマークを確認してから、笑顔付きで視線をあげた。


 どきっとするじゃないか。

「かなり遠方にも行かれているのですね」

「ああ、見聞を広めたいのと自分探しかな」

 あははと、から笑いをした。

 方向音痴だとは、自告すまい。自爆だしな。

 すこしいきってもたかな。自分の言葉が恥ずかしい。


 ネコミミ嬢は、軽く返事を返して無表情になった。

 カードを手元に引き寄せた機械にセットして、なにかダイヤル?かな、調整らしきことをして処理をしている。


「お待たせしました。お返ししますね。領収書は必要ですか」

 カードーをカウンター台にのせてコインを回収しながら問うてきた。

「ありがとう、必要ありません」

 左のパーティーはもういなくなっていたが、右のお子様達の新規登録は時間がかかっている様子だ。

 このまま別れてもいいのだが挨拶ぐらいはしておこう。

 それまで時間をつぶすのに手頃なクエストでも探しておくか。


 ボードを見に行くか。

 依頼カードの貼り付けは入口に面した面と、背面の食堂側にもある。

 経験則だが、入口の目立つ方に初級とか比較的時間のかからない中級の依頼が張られて、背面の内側には難易度がぐっと上がる。


 中堅ぐらいになると、この食堂側を酒を片手に、アルコールで気が大きくなった勢いに、複数取りをしていく即席豪傑もいる。

 身の丈以上なのは、酔いが覚めて青くなりながら違約金をつけてキャンセルをすることになるのだが。


 先のパーティが、食堂側で他のクエストを吟味中のご様子なので、閲覧が楽な入口側に戻ることにした。

 近くを通るとき、あのオンナ冒険者から視線を向けられた感じがした。


 土地勘がないから、採取とかは無理だよな。

 手近にあった定番のカードに手を伸ばしかけてやめた。

 マップで位置の分かるダンジョンでザコの討伐あたりが始めやすいかもな。

 こっち側には、迷い猫探しだとかのルーキーでも受けられるような初級が殆どだ。

 裏っ側の中級に目を通したいが、あのパーティとはお近づきになりたくない感覚がする。


 あれこれ脳内シミュをしていると、四人組も終わったようだ。

 出口でもあるこちらへ近づいてくる。

 これまでの礼を述べ、人目のない路地に入ってログアウトした。


 ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

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