1話 全上院立
俺は全上院立‥‥なんて言っている場合じゃないくらいに切羽詰まっているのが今の俺。一体何に切羽詰まっているのかって?そりゃあ‥‥猛烈な腹痛と便意に、だ。
しかも、近くに公衆トイレを設置している場所が何処にもない。俺の(人としてのプライドの)生存率は絶望的だ。お願いします、神様助けて。
その願いが通じたのかは理解らないが、目の前に写り込んだものに俺は最後の希望を見つけた。
“新星学院”
家はそろそろ五十代となる父と母、学院に通う十六の妹、そして社会人三年目になる二五の俺を含む四人家族で過ごしている。
そして新星学院は我が家の妹様も通う学園である。
妹が入学した年までは新星女学院であったのだが、昨今よくニュースでも聞く少子高齢化問題の流れに逆らえずに共学化したという経歴がある。
まぁ今は妹の学園の経歴などはどうでもいい。そろそろ俺のお尻も限界突破しそうなので学園に向かう。
すると、
「もしかして、茜のお兄さんではありませんか?」
地上に舞い降りた天使であり、妹・・・・茜の親友である東條雫ちゃんの登場である。
「や、やぁ、久しぶり、だね、雫ちゃん」
こんなところで限界突破はさせない、してやるものかと尻に力を入れる。
「はい、お久しぶりです。あの、具合でも悪いのでしょうか?」
「いや、ちょっと・・・・ね」
今の自分自身の状況を話し、学校に入る許可をもらえないか尋ねる。案の定、雫ちゃんは校舎に入っていき、許可をもらってきたのか、すぐに戻ってくると笑顔で
「お兄さん、許可を貰ってきました。この学院の証明書を首に掛けて中にお入りくださいね」
「あぁ、ありがとう雫ちゃん」
雫ちゃんに礼を言い、早足に学院のトイレへと向かうのであった。
***
「いや、本当に危なかったな‥‥。こんな歳して大を漏らすとか黒歴史なんて通り越して生きていけないレベルのものだったぞ」
そう言いながら学校というなんとも懐かし雰囲気を楽しみつつも学院内を歩く。そして、俺は『Altair』の表札をみて足を止める。
「これ、アルタイル‥‥で合っているよな?」
この学校はその名もあってか学級表札に星座の名前や1等星の名を使っていて、Altairは茜がいるクラスで、雫ちゃんもこのクラスだ。
「少し、覗いてくか」
仕事があるのにこれである。
妹がちゃんと学校でやれているのか心配な兄心と天使な雫ちゃんの姿を見たいというゲス心を共に仕事のことなど関係ないとこっそりと除きを開始する。
数分たち流石に仕事もあるから不味いなと思い動こうとしたその時、茜たちの教室の真ん中辺りから円陣が広がっていくのが見えてしまう。これは拙いと妹たちの元に向かおうとするが自分の体が動かないことに気がつく。
「ちょっと待てよ、洒落になってねぇぞ‥‥」
そして円陣は更に広がり俺の下まで達すると光り輝き‥‥俺の意識はそこで途絶えた。
***
そして今、この瞬間、彼の中に神の力が宿る。
異界の神装
力を持った彼はその力を何に使うのか?
これから向かう世界で何をなすのか?
その答えを知る者は誰一人としていない。
さてさて、やっとこさ1話‥‥なんですが、文章を書くのは難しいですね。
なろうで100以上もの作品を読ませていただいてますが、先輩たちのように上手く書くことが出来ません。
ですが、この作品を通して少しでも自身の技量を上げれればなと思いますので、これからもよろしくお願いします!