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揺れる気持ち

ルミナから聞かされたのは、耳を疑う様な内容だった。詳しい事は話されなかったが、無視出来る内容ではなかった。

アクト達は宿に戻り、深刻な面持ちで机を囲っていた。

「あの人の言っている事が事実だって言い切れないだろ?」

リヤンはアクトに言う。それは、アクトを除いた全員が思っている事だった。

仮に事実を述べているとしても、その事実を知っているルミナがこの国に留まっているということがどうも引っ掛かる。

「でも……彼女が嘘をついているようには見えないんだ」

アクトは俯きながら言った。

「アクト、言い方が酷いと思うが、お前はルミナと関わるな。お前は無意識の内に昔の自分とルミナを重ねているだけだ。いい加減目を覚ませ」

クロートの言葉を聞き、アクトは机を叩いた。

「違う!!そんな事してない!ただ……」

アクトは言葉詰まらせた。皆が心配そうに見つめている。

「私もアクトさんと同じ気持ちです。だって…ルミナさんは皆さんの様に凄く優しい人のはずだから」

珊瑚は立ち上がり、クロート達に思いを伝える。

「だがな、信じるにしても根拠が無い。それに、真実だとしたら俺達は加担する事になる」

クロートはただ真っ直ぐにアクトを見据えていた。

「俺はクロートの意見に賛成だな」

リヤンはそう言ってクロートの隣に立つ。

「大体、神話の生き物を呼び出す事なんて不可能だ。仮に呼び出せたとして、それを俺たち傭兵や騎士に倒させる何ておかしいだろ?」

サーシャは腕を組んで考えていた。クロートとリヤンが言っている事は筋が通っている。呼び出したものを倒しているのだから、意味が無い。しかし、アクト達の気持ちも分からなくはない。

見ず知らずの珊瑚に対して、本気で心配していたルミナだ。その行動にはおそらく嘘はないだろう。

「どっちが正しい何て考えなくていいんじゃないか?確かにクロート達が言ってる事も一理ある。でもさ、アクト達の気持ちも分からなくはない。だからさ、あたしらで真実を確かめればいいじゃん」

サーシャはしれっと口にした。

「どうやって?」

リヤンは呆れたように聞く。

「ルミナはどこまで知ってる分からないんだから、直接聞いてみるんだよ。それで確かめる。これが1番いいじゃん」

サーシャの考えに4人は呆気にとられていた。

アクトはそれを聞いて、っふと笑った。

「そうだね。俺達で確かめればいいんだ」

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