表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

山羊

作者: 銹屋

私はまだ二十歳にもなっていないのに随分歳を取った気がして参ります。正しくは大人になってしまったと考えた方がよろしいでしょうか。それというのもこの前面倒な質問をされましてね。いえ、ここでは言うべきではございませんが、私が言いたいのはその質問に対する答え方でございます。普通質問されたら面倒でもちゃんと返すでしょう?なのに私は「自分で考えろ」なんてなんとまあ醜い言葉を言いそうになってしまったのでございます。

私は大人の方々を侮辱しているわけではございませんが、何となくそんなイメージがぼんやりと浮かんでいるのです。勿論そのイメージという物が大人そのものである等とは言っておりません。それも私の体験から出てきてしまう、一種の愚痴なのでございます。

ここまで読んでくださった皆々様方には感謝の意を申し上げると同時にその私の体験という物を聞いてくださるのでしょうという期待を申し上げます。よろしいでしょうか。


私が小学生の頃でございます。私は先生に「社会は厳しいぞ。誰も重要な事は教えてくれないんだ。」と言われたのです。こんな話は誰でもされた事があるでしょう。ですが私は「大人ってのはそんなに無責任なのか。」という感想を持ってしまったのです。なんと可愛くない子供でしょうねえ。私だったら蹴り飛ばしてるかも知れませんね。そんな事を言っている私もとんでもない無責任な人という事を知って頂けますでしょうか。

次の体験は中学生の頃の話なのですがこれもまた先生に言われた事なのでございます。ある人がふざけて投げた鉄の棒が私の友達の頭に当たってしまったのです。すぐさま保険室の先生に見て貰おうと思ったのですが不幸な事に保険室の先生は不在だったのです。仕方なく職員室に行った所、理科の先生が偶然いたのでございます。しかしこの先生は滅法駄目な先生でして、友達は頭から血を流していたというのに先生はあろうことか「面倒臭い」等と口にしたのでございます。これは誰から見ても酷い人だと思いませんか。私が大人になりたくないと思った理由の殆どがこの体験なのでございます。

他には最近の事でスティーブジョブスという人がすごい携帯電話を作ったでしょう?そしたらどこかの会社のお偉いさんが「ジョブスのような人材が欲しい」等と言うらしいのです。そして私達が「こんな人がいます」とジョブスの経歴を丸々教えると「採用しない」なんて言っているらしいのです。なんという大馬鹿者なのだろうと起こるどころか呆れ果ててしまいます。お偉いさんがこんな寝言を抜かしているようではもう言葉も出ない状態でございます。


そんな酷い体験のせいで私はひねくれてしまったのです。もう私は大人なんて信じませんと申し上げておきます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ