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不実の夢  作者: 神崎真紅
5/11


「今日何か予定あるのか?」



「ん〜・・・買い物でも行こうかなっては、思ってたけど?」



華恋は激甘のコーヒーを飲みながら答える。


「なら、あたしも付き合うよ。暇なんだ。」



「本当に〜?」


「何だよ?おかしいかよ?」



「違うって。ひとりじゃ詰らないから雛でも誘おうと思ってたんだ。」


「雛って、誰だっけ?」



「・・・自分の部署の人間の名前くらい、覚えようよ?あたしの同期の子だよ。」



碧はう〜ん、と首を捻って考えていたが。



「ああ。あの子か。」


・・・ようやく思い出したんだ。

雛ってそんなに存在感ないかなぁ〜??



「華恋。出掛けるぞ。」



「えっ??早い〜。」


「お前が鈍いんだろ?」



見れば碧はすっかり支度が済んでいた。


・・・と言っても、着てる物少ないんだけど。



「碧?服それだけ?」


キャミソールと・・・ミニスカートにジャケット。



「何で?あたしのポリシーだよ。」


細いからなぁ〜・・・。


いいなぁ〜。

そんな着こなし真似出来ないよ。



「華恋は?昨日の服だろ?何か貸そうか?」


「・・・サイズ的に無理だよ。気持ちだけ借りとくよ。」



その言葉に碧は、弾ける様に笑った。



「華恋・・・最高に笑えるよ。」




ふたりは街に出た。

よく晴れていて、気持ちいい。



「・・・あれ?華恋?」


碧が華恋の姿を探すと、可愛い雑貨の店の中にいた。


「きゃぁ〜。可愛い〜。全部欲しい〜。」


ひとりで盛り上がってるよ。



「華恋?勝手にどっか行くな。探すだろ?」



「ねぇねぇ。碧??これ、このカップ。可愛いと思わない?」


「別に。」



ガ------ン!!



「何その素っ気無い返事ぃ〜。」



「いや、本当の事を言ったまでだ。」



「・・・昨日のお礼にお揃いで買おうかと思ったのに。」



昨日のお礼・・・?



「お礼なんか、欲しくねぇよ。」



「え・・・?どうしてぇ?お揃いじゃ嫌なの?」


碧は笑って言った。



「華恋がいればいいよ。」

「やっぱりそっちの趣味なんじゃんか〜。」


「何だよ?悪いのかよ?」

「碧だけだからね?だからこのカップ、お揃いで買ってもいいでしょ?」


「あ〜あ〜。好きにすればぁ〜。」


「何その投げやりな言い方・・・。碧とお揃いで使いたかったのに・・・。」


「判ったから、買ってこいよ?もう昼だよ?メシにしようぜ?」


んふふ〜・・・。


華恋はウキウキとレジに向かって行った・・・------。



「さて…と、昼飯何にする?」



碧の問いに、華恋はう〜んと考える。



そして…。


「碧が決めてよ?」


「あっそう。じゃ華恋はドッグフードでも食ってな。」



「何それ?あたし犬?」


「可愛いじゃねぇか。キャンキャン吠えてよ?」


「じゃあ、碧は猫だね〜。あまのじゃくだし?」


ははは、と碧が笑う。


楽しいな…。


「華恋、この店入ってみようぜ?」



「あ、ここあたしも来たかったんだ。」


ふたりは遅めの昼食を取るべく、店内に消えて行った…―――



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