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風があるから雲は動ける。
風の動き方次第で、雲は大きさや形、名前までもその姿を変える。
ワタシはまさにその雲だった。
君という風に吹かれて走る愚かで小さな雲。
風のように早くは走れないけど、一生懸命付いて行こうとする、弱く、小さな雲。
その雲はきっと、雨も降らせない。
雷も鳴らせない。
季節も教えてやれない。
誰もその存在に目もくれない。
あったって意味のない雲だけど。
君は、君だけはきっと、ワタシを見つけて運んでくれる。
ほっとするような笑顔で、声で、運んでくれる。
ワタシの大好きな、優しくて暖かい風に乗せて。
この連載は携帯から行っているので、パソコンでは読みにくいかもしれません。
今パソコンがつかなくて確認出来ないので、もし悪いところがあったら教えて下さい