エアコン
ここ最近の日本は四季があやふやになりました。春、夏、秋、冬の境目がわかんない。は、なつつつ、あ、ふゆゆゆ、みたいな具合です。さて、今年の夏も大層暑いですね。おや、電気代の支払いを忘れた熊さんが、ご隠居のところに涼みに来たようですよ。
熊:「今日も、お暑いねぇ。ご隠居」
ご隠居:「何をいってんだ。いちゃつく相手なんていないよ。かかぁは、とっくにあの世だよ」
熊:「違う。違う。お天道様が元気すぎだね。て話だ」
ご隠居:「お天道様は電気代を払っちゃくれないよ。こっちが払うほうだ。払うもんは払わないといけないよ。お天道様が見てらっしゃる」
熊:「ご隠居は嫌味だね。ご存知でしたら、ちょっくら涼ましてくださいよ。よいしょっと。お?立派なエアコンがある」
ご隠居:「立派だろう? いい買い物をしたよ。前の代物より、大分風が当たる」
熊:「勿体ぶるとは、いやらしいね。お?こいつがリモコンだな。エアコンが立派ならリモコンも立派だね」
ご隠居:「無闇やたらと触らないでおくれよ。ボタンがちびるから。貸してみな。こう使うんだよ。パタパタと仰ぐんだ。扇子と同じ要領だね。買い替えてから電気代はゼロだ」
熊:「ご隠居。私にもそのリモコンを貸してくださいよ」
ご隠居:「しょうがないね。ほら。乱暴に扱っちゃいけないよ」
熊:「ありがとうございます。パタパタポチりと。どうです隠居?」
ご隠居:「お前はコツをつかむのが旨いね。こっちにまで風がくる。大分涼しい。寒いくらいだ」
熊:「もっと涼しくできますよ」
ご隠居:「やめとくれ。かかぁに会うのは盆だけで良い」