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10-10 魔王の行方

 マリシャスヘイターが爆散し、廃都ローウェンには静寂が戻った。

 ばえすぽっ!の3人組は互いに「お疲れ!」と声を掛け合い、ルナは安堵の息をつきながら辺りを見回す。


「はぁ…これで、四天王も全滅ですねにゃ…」


 コメント欄は「ナイス!」「やったー!」と盛り上がり、スペチャも続々と投げられている。

 一方、シャムはやや離れたところで所在なさげに立ち尽くし、目を伏せている。


「シャムさん……」


 ルナが声をかけると、シャムは一瞬言葉をのみ込み、そっけなく顔を背ける。

 しかし、そのままかすれた声で呟いた。


「……あ、ありがとう……」


 ほんの短い言葉だが、それだけでルナの胸は熱くなった。

 にゃん民やシャ民党員もコメント欄で「シャムが礼を言った!?」とざわつく。


「に、2度と言わないんだからね!」


顔を真っ赤にしてシャムは叫んだ。


「満足そうだな、ルナちゃん!」


 小盛めしが笑顔で声をかけ、美射流ぐびと狗田しゃけも「ナイスコラボ!」と称賛してくれる。


 ルナは照れながらも微笑み返し、ユニコーンのたてがみを撫でた。


「でも……魔王の情報、結局得られなかったね。」


 狗田しゃけがライフルを肩に担ぎながら口を開くと、にゃん民も「たしかに」「これからどうするんだ?」と騒ぎ出す。

 そこにシャムの声が重なった。


「……それについては、私がわかるわ。」


 周囲がざわめく中、シャムは視線を上げる。

 その表情には、わずかながら覚悟の色が宿っていた。


「さっき、あの人形野郎――マリシャスヘイターに情報を吸われそうになった時、私も抵抗してたの。

 そしたら逆に相手の頭の中に入り込む形になったみたいで……魔王だか何だか知らないけど、その主の情報が少し流れ込んできたのよ。」


 にゃん民: さすがシャム、転んでもタダじゃ起きない

 シャ民党員: やっぱりシャムちゃんは違うわ!


 思わぬ賞賛に、シャムは目をそむけながらも話を続ける。


「魔王は……“最果ての孤島”にいるらしいわ。

 それだけじゃない……魔王は、人間……よ。」


 こうして、新たな幕開けの気配を感じながら、ルナたちは廃都をあとにする。

 物語の行方は、まだ誰も知らない。


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