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4-7 宴

 夕暮れ時、柔らかなオレンジ色の光が街並みを包み込む頃、バズリディアの広場では大勢の人々が集まっていた。

 中央には即席のキャンプファイヤーが燃え、周囲には美味しそうな食べ物や飲み物が並べられている。

 焚き火の明かりが石畳を揺らめかせ、活気あふれる声や笑い声が響いていた。


「こんなに人が集まってるんですにゃ……」


 ルナは少し緊張した面持ちで、上座に案内される。

 両脇には町長とギルド支部長のガルドが陣取り、まるでこの街の英雄として扱われているようだ。


にゃん民: うわ、VIP待遇w

にゃん民: 宴キタコレ!

にゃん民: ルナちゃんすごい出世だなぁ


「ルナさん、街を守ってくださって本当にありがとうございました!」


 シアが両手を重ねてお辞儀する。

 その隣には、少し具合が良くなったらしい母親が壁に寄りかかりながら、穏やかに微笑んでいる。

 おばさん(シアの伯母にあたる女性)も目頭を熱くしている様子だ。


「いえいえ、みにゃさんが見てくれるおかげで私が強くなれたからですよ。

 シアさん、おばさん、そしてお母さんも、大丈夫ですかにゃ?」


「ええ、母も少し良くなりました。

 あなたのおかげで安心して治療できます!」


 シアが微笑むと、コメント欄にも「よかった」「ほっこり」「異世界優しさ満点」といった反応が流れる。


 やがて、町長が手を振り、集まった人々の注目を引く。

 その小柄な身体からは想像できないほど、力強い声が広場に響いた。


「皆の者、聞いてくれ!

 この街を襲ったスタンピードは、猫神ルナさんのおかげで退けられた!

 魔王四天王さえも倒し、我らを救ってくれたのだ!」


「おおおーっ!」


 大歓声が上がる。

 にゃん民たちも「すげえ!」「英雄だ!」「ルナちゃん最強!」と大喜び。


「ルナさん、あなたは我らが恩人。

 今日は思う存分、食べて、飲んで、楽しんでくれ!

 さあ、宴の始まりだ!」


 町長が両手を挙げて宣言すると、街中から拍手と歓声が巻き起こり、音楽や笑い声が広場を満たす。


「み、みんな……ありがとうございますにゃ……」


 ルナは頬を染め、恥ずかしそうに微笑む。

 こうして盛大にお祝いされるのは、彼女にとっても初めての体験だった。


にゃん民: 照れてるルナちゃんかわいい

にゃん民: 飯テロ再び、食え食えー!

にゃん民: グルメ系VTuberになる?


 その和やかな雰囲気の中、ルナの視界に再びVTubeスタジオからの通知アイコンが点滅しているのが映る。


「また通知が……今度は何でしょうかにゃ?」


ルナは控えめにそのアイコンへと手を伸ばした。


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