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3-3 無法者たち

 ギルドの受付で冒険者登録を済ませたルナとシアは、そろそろ日も傾いているため宿を探すことにした。


「ルナさん、今日はもう遅いですし、明日から本格的に冒険を始めましょう。」

「そうですねにゃ!みにゃさん、明日から本格的に活動しますにゃ!」


 ルナは微笑み、コメント欄でも「おつルナ!」「明日も楽しみ!」といった声が流れている。


 ギルドを出ようと扉に手をかけたその瞬間、横合いから無骨な笑い声が聞こえた。


「おいおい、初めて見る顔だな?」


 振り向くと、鋭い目つきをしたハゲ頭の男たちが数名、ニヤニヤしながら近づいてくる。

 彼らは武装こそしていないが、肩に力を込め、威圧的な態度でルナを見下ろしていた。


「獣人……なのか?耳と尻尾がついてるなんて初めて見たぜ。」

「はるか向こうの大陸には獣人がいっぱいいるらしいが、この辺じゃ珍しいな。」


 ハゲの一団は興味津々といった様子でルナを取り囲むように立ち、シアは後ろで少し怯えた表情をしている。


「そんな可愛いなりで大丈夫なのか?冒険者だって?無理だろぉ?」


 因縁をつけるように、ハゲ男の一人がルナにニヤリと笑いかけ、尻尾を掴もうと手を伸ばす。

 別の男は耳に触れようと指を伸ばしてくる。


「ちょ、触らないでくださいにゃ!」


 ルナは反射的に手を振り払う。

 すると、そのハゲ男はまるでバネ仕掛けのように後方へ吹っ飛び、ゴンッ!とギルドの壁に激突した。


「え……!?にゃ……?」


 ルナ自身も驚きで目を見開く。

 ギルド内にいた人々も「なんだなんだ?」とざわめき出す。


にゃん民: え、今軽く手払っただけだよね?

にゃん民: ハゲふっ飛んだwww

にゃん民: ステータス上がってたからだろ!同接500いってたし


「同接500……?」


 ルナはコメントを見てハッとする。

 いつの間にか、配信画面の片隅に表示されている同接数は500を超えている。

 つまり、攻撃力や防御力などがさらに跳ね上がっているということだ。


「まさか、軽く手を振るだけでこんな……」


にゃん民: ルナちゃん、怪力になってるな

にゃん民: ハゲ可哀想w

にゃん民: これは悪用厳禁だが、守るには最高かもな


 ハゲ男たちは壁に倒れた仲間を見て青ざめる。


「なんだこいつ……異常な力だ……!」


 結局、荒くれ者たちは何も言えず、そそくさと退散していった。

 シアはほっと息をついて、ルナに微笑む。


「ルナさん、すごいです……!本当に強いんですね。」


「い、いえ、みにゃさんが見てくれるからにゃ……」


 ルナは少し照れながらコメント欄を見る。

 「すげえ」「笑った」「ハゲ撃退」と、にぎわっている。


「これはもう、いろんな場所を安全に歩けそうですにゃ!」


にゃん民: 次は宿屋行ってゆっくり休め

にゃん民: 明日から冒険本番だ!

にゃん民: とりまハゲには悪いことしたが自業自得だな


 ルナは苦笑いしつつ、シアと共にギルドを後にするのだった。


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