表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

103/114

11-9 狂気

 「――VTuberを滅ぼしたいか?」


 その低く抑えられた声に対し、フジワラは迷わず頷き、低く答えた。


「もちろんです。あいつらを皆、地獄に落としてやりたい。」


 すると次の瞬間、フジワラは光と闇が入り混じるような眩暈に襲われ、この異世界へと飛ばされていた。


邪神の導きにより、彼は魔王という立場を与えられ、魔族を従える力を得たのだ。


「――それ以来、転生経験のあるVTuberをこの世界へと呼び寄せ、彼らの醜い心をファンどもに晒してやったというわけですよ。」


 フジワラがそう言い放つと、コメント欄も騒然となる。


にゃん民: な、なんだって…

にゃん民: 転生Vがあちこちに来てたのってコイツが呼んだのか?

にゃん民: 最悪すぎる…

にゃん民: モンスターに襲われてトラウマで寝込んでる子もいるって聞いたぞ!?


 そんな中、ある疑問が浮かんだ人々が書き込んだ。


にゃん民: あれ、でもルナちゃんって転生してないよね?

にゃん民: そうだそうだ。事務所が爆散しかけたけど、IPを買い取っただけだし

にゃん民: 確かに〜!


 ルナも、戸惑いながら小首を傾げる。


「そ、そうですにゃ。私はルナ一本ですにゃ。転生経験なんてないですよにゃ。」


 フジワラは不満げな視線をルナに向け、頬を歪めて呟く。


「ふうん……それが不思議なんですよ。私は“あなた”を読んだ覚えがないのに、どうしてこの世界に来たのか……」


「にゃんですと?」


 思わずルナが問い返したその時、シャムが割って入る。


「ねぇ、ちょっといい? 他にも転生経験のないVTuberが混ざってると思うんだけど。たとえば“木阿弥もとの”って子も、初めてVやったって言ってたよ?」


「な、何……?」


 フジワラは一瞬動揺の色を見せ、額にうっすら汗を浮かべる。  


コメント欄も冷ややかな反応で、あれこれ推測を始める。


にゃん民: まとめサイトとか見てテキトーに選んだだけじゃね?

にゃん民: 頭悪いな…フジワラって東大出身って噂あったが

にゃん民: 適当かよ


 シャムはあからさまにあおるような口調で肩をすくめる。


「なんだ、意外と適当なのね。私たちのこと愚民とか言っといていい加減じゃん。」


「う、うるさいっ……! 転生していようがしていまいが、VTuberなど所詮は承認欲求の奴隷だ!  どうせ都合が悪くなったらガワを捨てて、新しい体で転生するんでしょ!」


 怒気を孕んだ声でフジワラが吐き捨てる。  


だが、コメント欄はどこか呆れた空気になっている。


にゃん民: だいぶイっちゃってるな…

にゃん民: こりゃ話通じないわ

にゃん民: マジで面倒くさいタイプだな

にゃん民: 高学歴の無敵の人、始末におえねー


 フジワラの目は血走り、怒りを燃やしながらも、どこか不穏な焦りを含んでいた。



少しでも面白い、続きを読みたいと感じてくださった方はブックマーク、評価で応援のほどよろしくおねがいします!


皆様のリアクションがモチーベーションの元になっています!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ