Взрыв?
チチチチチッ ボッ
リョウは点火したガスコンロの上にフライパンを置いた。フライパンにオリーブオイルを敷き、それが温まるのを待つ。
《本当にこれでいいのか》
熱せられるフライパンを見ながら、そう自分に問いかける。薄暗い廊下で佇んでいると、この選択が間違っているような気がしてくる。
あれこれ悪い想像が頭をよぎったが、いつの間にかコンロの火は赤色に変わっていた。フライパンの上に手をかざし、温度を確かめる。手のひらに程よい熱を感じると、冷蔵庫からたまごを3つとりだした。
《もうあとには戻れない、やるしかないんだ》
やけくそになりながら卵を割り、フライパンに投入した。その瞬間、気のせいかもしれないが、少しだけ気持ちが楽になったような気がした。
バチバチバチ…
たまごが油に接触し、爆ぜる音が廊下に響く。すると奥の部屋のトビラが鈍い音をたてて開いた。
リョウは火加減を確認するふりをしながら、横目でトビラの先を見る。
トビラの隙間から光が漏れて逆光となり、そこから覗かせる彼の横顔は、ただでさえ黒いのに余計に黒く見えた。
「Взрыв?」
《何話してるかわからん》
「もうすぐできるから待ってて」そう適当に返事を返す。《日本語わからないと思うけど…》と思いながら、火加減を確認した。
「爆破したのか?」
「…」
《日本語しゃべれるじゃん》




