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ソウジ、自分の力を知る

「はぁ...はぁ」


ソウジは人混みをかき分けて走っていた。


(奴が来る...!)


辺りはビルが建ち並んでおりその隙間を縫って逃げていた。


「はぁはぁ」


機械音に似た音がソウジの耳に入る。

人混みをかき分けていたが人にぶつかる。


「ごめんなさい!」


すぐに去ろうとするが。「おい待てや!」柄の悪い男達の一人がそう言いながらソウジの肩を掴む。


「急いでるんで!やばい来た!!」


「あ?」


男達はその存在に気づくが直後に電撃を浴びせられ倒れる。


「う、うわぁぁぁぁぁ!!!!」


古びたビルの階段を駆け上る。

屋上まで着くとローブを着た二人の怪物が現れた。


「何故、逃げる?」


「貴様は既に人間の域を遥かに超えている、だからヴォロスのおさとして迎え入れようとしているのだ」


「やめろぉ!!」


「薄々気付いていたはずだ五年前のあの日から、ビル崩壊事件の時からな」


「その証拠を見せてやる」


ローブを着た二人のうち一人が巨大な岩を出現させて上空からソウジに落とす。


「うわぁぁ!!」


岩を受け止める体勢になる。

直撃したと思っていたがソウジはそれを受け止めていた。

ソウジの体が変化する。


「アーテル。その姿その名前こそが貴様が改造された時に与えられた名前なのだ」


「うぉお!!!」


岩を投げ飛ばす。


「自我があるのか!?」


ローブの男達はそれを躱し空へと逃亡した。



ビル崩壊事件?それはソウジにとっては嫌な記憶として残っている。

高校一年生の施設の見学の時だった。

高層ビルの中を見学していたソウジ達クラスメイトは見学中にビルが天井から崩れて三十人中十五人が死亡した事故となった。

その時、ビルの中にいた少女をソウジが助けたのだ。

それがソウジが初めて自分に特殊な力があると自覚した瞬間だった。



家に入り状況を整理する。


(あの男達に...追われて逃げて...そして...)


時間を確認すると19:35と夜になったばかりだった。

インターホンが鳴らされる。


「ひっ!」


「西風さん、居ますか?」


隣に住んでいる白井シノだった。


「シノちゃん、どうしたの?」


「夜ご飯作りすぎちゃって...」


肉じゃがが入ったタッパーを受け取る。


「ありがとう、うれしいよ」


「疲れてるの?」


「い、いやそんな事ないよ」


「そう...じゃあまた」


「おう」


扉を閉めて部屋の電気をつける。

机に先程もらった肉じゃがを置く冷蔵庫からお茶を取り出しコップに注ぎ一気に体内に流し込む。


(気分が悪い...)


ベッドに倒れそのまま眠りにつく。



アラームが鳴り響き目を覚ます。


「昨日風呂入らずに寝たのか...」


シャワーを浴びて昨日もらったご飯を食べて大学に向かう。


(奴らはさすがにいないか...)


安堵しつつ教室に入りスマホを見て時間を潰す。


講習が終了し帰ろうと鞄を持った瞬間。

不快な音がいきなり頭に流れ耳を抑える。


「くっ!」


『きー!きー!』


(屋上からか!)


階段を駆け上がり屋上に向かう途中、人に肩をぶつけてしまう。


「すみません!」


銀髪の女の子は無言のまま立ち上がる。


(こんな子、大学にいたっけ)


「気をつけた方がいい、奴は空を飛ぶから」


「え?」


女の子は階段を下りていく。


(なんだ?あの子、いや!急いで屋上に行かないと)


屋上に着くと辺りには誰もいない。


「キキー!!」


「っ!」


ギリギリで躱しソウジは姿を昆虫を模した姿アーテルに変えた。


「キキー!」


「だぁっ!」


キックをコウモリ男に喰らわせる。


「キー!!!」


コウモリ男は吹き飛ばされてフェンスに激突する。

ソウジは倒れているコウモリ男にパンチを連続で打つ。


「き、、キキーー!!!」


コウモリ男に捕まれ空中に放り投げられる。


「うわぁぁーー!!」


地面にぶつかる。


「く、くそっ...」


また空中に放り投げられる。

宙を舞いどうすればいいかを考える。


(そうだ!)


コウモリ男が地面でよろめいているのを確認する足を突き出し勢いのままにコウモリ男に特攻する。


「キャァァァァァァ!!!」


コウモリ男の腹には穴が開きコウモリ男は灰になって消えていった。

逃げるように屋上を後にして外に出る。

警察が正門の前にいる。

事情聴取とかされるのは面倒だと思い裏門を飛び越える。

着地すると、先程の銀時の女の子が目の前にいた。


「なんですか?」


「これ...」


紙を渡される。


「明日、この住所に来て」


紙には住所と部屋番号が書かれていた。

名前も書かれており『北見イスカ』と書かれていた。



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