表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】ホテルグルメはまかないさんから  作者: 櫛田こころ
第二十五章 眞島の場合⑬
99/192

第3話『色々ところてん料理』②

お待たせ致しましたー

 メインの冷麺風に仕立てた方も、実に美味しそうだった。


 豚肉。


 キムチ。


 きゅうり。


 それ以外は……ところてんが赤く染まっていた。ラー油のような色合いではなく、本当に赤い。


 何を使ったのかは見ていないが、裕司(ゆうじ)の作った料理は……ほとんどハズレがない。彼自身が試作で作る時には失敗はあるらしいが……怜の前ではほとんどと言っていいくらい、ないのだ。


 失敗してもいいだろうけれど、それだけ怜に美味しいものを食べて欲しいと思ってくれるから……嬉しくないわけがない。



「冷麺って、ほとんど食べたことないなぁ?」


「普通は、糸こんにゃくくらいシコシコした麺を使うからねぇ?」


「こもやんのも、絶対美味しいよ!」


「絶対……ありがと」



 赤ワインの方は半日近く冷蔵庫に入れておかなくてはいけないので、せっかくだからと冷麺風の方を食べることにした。


 ところてんを箸で持ち上げても、やはり赤く……しかし、夏であるから嬉しい赤色だ。つるるん、と口に入れれば……ところてん特有の噛み応えに加え、しっかりとした辛味と少しの甘味が交互に来るのが堪らない。


 調味料を絡めただけだろうに、こう言う冷やし中華とも違う麺料理……ところてんを何故嫌っていたのだろうか。春雨とも違う噛み応えが……好きになってからどんどん癖になっていく。


 具材の豚肉やキムチとの組み合わせも抜群。


 ふたり揃って、ところてんをそれぞれ1.5人前使ったのに……あっという間に平らげてしまった。



「……足りない」


「物足りんぜよ……」



 啓司(けいじ)の自宅で、生ところてんを食べさせてもらった時もだが……つるつると食べられる上に腹持ちが意外にしない。


 キノコ王国に引き続き、寒天王国とまで言われる長野だからだろうか。美味し過ぎて、いくらでも食べられるのだ。



「こもやん……これ、賞味期限早いんだよね?」


「添加物の極力少ない保存液だからねぇ? ワインの食う前に……黒蜜いっちゃう?」


「行こう!!」



 まだまだ若く、食べ盛りのふたりには……啓司が送ってくれたところてんの塊はあっという間に、と言う言葉通り。


 少し満腹になる頃には、塊が残りわずかとなっていた。



「「食べた〜〜……!!」」



 味変を可能な範囲で繰り広げたので、さすがのふたりでもほぼほぼ満腹になることが出来た。カロリーが控えめとは言うが食べ過ぎれば腹に溜まると言うものだ。



「え〜? 啓司さん達んとこ行ったくらい?」


「いや、じいちゃん……あん時以上に送ってきたと思う。怜やん、いい食べっぷりだったから」


「うん。めちゃくちゃ美味しかった」


「電話しとく」



 スマホではあるが、LIMEなどがあまり使えないと言うのはご老人だから仕様がないのだ。SNS機能が浸透するようになって、まだ十年程度なのだから。

次回はまた明日〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ