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【完結】ホテルグルメはまかないさんから  作者: 櫛田こころ
第二十三章 眞島の場合⑫
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第3話『伸びるチーズハットグ』①

お待たせ致しましたー


「「…………あれ??」」



 (れい)達が目的の屋台に向かえば、見覚えのある人物がそこにいたのだ。



「あ。マトーさんに、コモリさん」



 屋台で調理をしていたのは、パッと見は日本人とそこまで変わらない顔立ちだが……口調は少し片言。しかし、頭の鉢巻きが日本人よりもよく似合っている気がした。



(チョウ)くん!」


「お疲れサマです」



 ビジネスホテルでは、怜よりは少し年上だが……準社員のひとりである中国ハーフの(ワン)苺鈴(メイリン)とは同期だ。


 彼は韓国からの研修生出身なので、生粋の韓国人なのである。日本語も、まだまだ片言なのは仕様がない。


 張は、慣れた手つきで油鍋と食材を交互にやりくりしていた。



「張くんが、こっち側にいるんだー?」


「……別のバイトで。出店するから手伝ってホシイと」


「へー??」


「ハットグ? って何なの??」



 裕司(ゆうじ)が張に聞くと、張は屋台に貼ってあるメニューのような部分を向けてくれた。



「簡単に言いマスと、チーズとソーセージを入れたアメリカンドック……デス」



 写真を見ると、表面には粒々したパン粉よりも大きい何かが。チーズが断面からものすごく伸びている。メニューには、モッツァレラチーズの芯とソーセージが書いてあった。


 表面の粒は、ポテトを砕いたものらしい。それにはマシマシでプラスの料金がかかるようだが。


 知人がせっかく一生懸命に作っているのだから、買わないわけにはいかない。



「張くーん! 私、ポテトのマシマシでひとつ!!」


「俺も」


「ありがとうございマス!! えーっと……ちょうど下準備出来たので、五分待ってくだサイ」


「……そんなかかるの??」


「生焼けにならないためでしょ? 時間気にしないからゆっくりでいいよ」


「はい」



 作り方を見ていると。


 ものすごく手が汚れるのを気にせずに、張はハットグを作っていく。油鍋に入れれば、コロコロと転がしながら揚げていくのは見ていて楽しい。


 あれが……今から食べられるのだと思うと、怜はわくわくが止まらなかった。



「ほーん? ホットケーキミックスとは違うようで、似ているもちもちの生地」



 裕司は裕司で、やっぱり料理人を目指しているから……張のやり方をじっくり見ていた。初見で作れるかはわからないが、頼めばレシピを探して作ってくれるかもしれない。



「お待たせしました。チーズハットグデス」



 出来上がったハットグは、そのまま渡されるのではなく専用の紙箱に入れられた。出来立てだから、たこ焼きなどのように受け止めるためだろうか。



「お好みで、ケチャップやマスタード。あと、粉砂糖やハチミツも」


「「砂糖にハチミツ!!?」」



 張のおすすめとは言え、そのような味付けが合うのか……ふたり揃って信じられないと声を上げてしまう。

次回はまた明日〜

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