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【完結】ホテルグルメはまかないさんから  作者: 櫛田こころ
第二十三章 眞島の場合⑫
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第2話 大花見祭り②

お待たせ致しましたー

 まずは、どれから買おうか食べようか。


 (れい)裕司(ゆうじ)に手綱を握られているので、下手に動けないと言うか迷子防止のためにガッチリ手を握られている。


 だいぶ前に、テーマパークデートの時にパレードに夢中になってはぐれた苦い思い出があったため。基本的には、裕司に全面的にお守りを任せる感じになってしまうのだ。


 とは言えど、怜の意見をまったく無視するわけではない。



「フランクフルト、牛串、たこ焼きに焼きそば……」


「ベビーカステラに……箸巻き? たません?? え、韓国語の屋台もあるぅ!!」



 屋台の数だけ、同じものでも種類が微妙に違うなどがあり……どこから買いに行こうか悩むわけで。怜と裕司は悩みながら歩くが、まずは……と、王道のたこ焼きから買うことにした。



「はいよ! 八個入りで五百円ね!」



 高い。


 屋台だからこそ、コスパ云々で高いと以前裕司から聞いてはいたが。普通の専門店に行くよりも少し高いくらい。


 しかし、作り置きではなくちょうど出来立てを口に出来ると思うと文句は言えない。美味しいかどうかはともかく。


 屋台のお姉さんが慣れた手つきで、たこ焼きを作っていくのを見ると、こちらまでわくわくするような気分になる。


 出来上がったら、裕司が受け取り……他のを買うよりもまずは出来立てを味わおうと屋台の並びから外れた場所に移動した。



「おお! 箸なのが嬉しいねぇ?」



 袋の中には、楊枝ではなく割り箸が二本。たこ焼きの大きさを思うとこれは嬉しい。一応デートなので、少しお洒落してきた怜の服装は……楊枝だと絶対落として汚す可能性が高いからだ。



「んー、あのお姉さん腕良いね?」



 パックの蓋を開けながら、裕司は珍しく褒め言葉を口にしていた。



「そうなのかい?」


「この焼き具合もだけど……関東風より、関西風なとこだよ。関西風は丸にはなりにくい」


「え、そうなの?」


「焼き方というか、仕上げが違うからねぇ? 関東風は仕上げに油をかけてパリッとさせるから、丸くなるとか聞いたことがあるんだ」


「美味しさは?」


「食べてみんとなんとも」



 なので、お互いに食べてみようと箸でも落とさないように……慎重に持ち上げた。出来立ての湯気、柔らかさ。崩れ落ちないように、と口に運んでかじりつく。



「「ほっほ!」」



 やはり、出来立てなので物凄く熱かった。


 生地、タコ、ソースにかつお節。


 マヨネーズも加わって……どれもが主張し合っても喧嘩はしていない。怜はあまり、専門店のたこ焼きを食べる機会がなかったが……これは素直に美味しいと思えた。


 屋台の値段であれ、納得が出来る美味しさだった。



「おいひー!」


「うん。これは美味いなあ……たこ焼きかあ? 作ったことはないけど」


「三重県って、中部地方とも言われているけど。関西の一部とも言われてるんだっけ?」


「そうそう。けど、別に家にたこ焼き機があるわけじゃないぜよ?」



 むしろ、名古屋名物になりつつある天むすと言うおにぎりや赤福餅と言うあんころ餅の方がメジャーらしい。どちらも、怜は食べたことがないので物凄く興味が湧いた。



「んじゃ! 次行こう!!」



 たこ焼きを食べ終えたら、会場に設置されているゴミ箱に分別して捨ててから……次は怜が興味を向けていた屋台に向かうことにした。

次回はまた明日〜

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