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【完結】ホテルグルメはまかないさんから  作者: 櫛田こころ
第二十二章 小森の場合⑪
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第2話『HMでカレーパン』①

お待たせ致しましたー



「こもやん、本当にホットケーキミックスでパン作れるの??」


「では、(れい)やんに問題」


「ほへ?」



 学校の教官ほどではないが、裕司(ゆうじ)も四年生に進級しているから簡単に問題を出すくらいは出来る。家庭教師などのバイト経験はまったくないが。



「ホットケーキミックスには何が入っているぜよ? 小麦粉以外で」


「え、え、え??」


「全部じゃなくていいから、ざっくり」


「ふぇええ??」



 少しいたずらをしてしまっただろうか。


 怜の表情が面白いくらいに、混乱のものになり……どんどん落ちていくようだった。


 ホットケーキを作るようになっても、成分表は特に見ずに、作り方だけを見ているかもしれない。それは別に悪いことではないが。



「正解は……砂糖、ベーキングパウダー。あと油分などの添加物などなど」


「お、おぉぅ?」


「普通のパンみたいに、イースト菌はないだろうけど……膨らむ要素はベーキングパウダーで十分」


「あ」


「これでドーナツも作れるからさ? ざっくり言えば、カレーパンってドーナツの部類に近いし」


「ほへ〜」



 とりあえず、ルゥを冷ましている間に生地を作らねばいけない。今回の生地には、普通のパン作りのように発酵時間がほとんどいらないのだとか。



「うーん。この作り方だと、ルゥにもう少し保冷材ひっつけるか?」


「熱いままじゃダメなのかね?」


「……悲惨な結果になるぜよ?」


「あいあいさー!!」



 本当に、まともに料理をしないとそう言う実践は……時に大変な結果を生み出してしまうのだ。怜に保冷材の方を任せたら、裕司は生地作りに。学校であまりパン製造はしないが……少し前にピザ作りもしたのでまったくの未経験者ではない。


 ふにふに……と、赤ちゃんのほっぺたのようになったら、生地を分けておく。



「怜やん、ルゥどお?」


「ぼちぼち?」



 裕司も確認のために味見をすれば、濃いめに味付けした部分が際立ち、ぬくもりがほんのりある程度。


 もう少し冷やしているうちに、怜と生地を伸ばそうとローテーブルの上をセッティングすることにした。



「今から、ここで生地を伸ばす。……怜やんも少しやってみるかい?」


「……破いちゃダメなんだっけ?」


「ダメだね。美味しくないカレーパンが出来るぜよ?」


「あい!」



 ガス抜きもやり過ぎず、適度な厚さに伸ばすこと。


 その最終工程は裕司が担当すればいいので……まずは、お互いにペチペチと打ち粉をまぶした生地を、綺麗に消毒して打ち粉もたっぷり広げたローテーブルの上で叩いた。



「プニプニしてるー!」


「あんまり打ち粉つけすぎないようにね?」


「りょ!」



 彼女と共同で料理を作るのは、初めてではないのに……やはり楽しいものだった。

次回はまた明日〜

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