表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】ホテルグルメはまかないさんから  作者: 櫛田こころ
第十九章 眞島の場合⑩
74/192

第2話『ホワイトデーにチキン南蛮』①

お待たせ致しましたー

 お互いの恋人へのバレンタインプレゼントのつもりが、結果的にプレゼントをもらう形になったのだ。彼氏達は気にしないかもしれないが、(れい)もだが皐月(さつき)も気にしていた。


 それはもう、盛大に。



『……怜、料理マシになったんだっけ??』



 スマホ越しに、怜がまた悩んでいると……皐月から何か提案を持ちかけてきた。



「うん? まあ……お米炊く以外はぼちぼち?」



 それでも……まだまだズボラ飯のように簡単なようで手抜きの料理程度しか出来ない。


 以前のピザについても、あれ以来あまりまともに作っていなかった。



『私もあんまり怜のこと言えないけど……作らない?』


「ホワイトデーのお菓子をかね?」


『もしくは……ご飯とか? 怜的には、どっちがハードル高い?』


「…………うーん。お菓子?」


『じゃ、ご飯路線で行こう! シフト的にホワイトデーとかどんな感じよ?』


「ちょい待ってー」



 お互い、バイトのシフトなどを確認し合ってから……日にちを決めて、まずは練習だと怜の部屋で特訓をすることにした。


 メニュー内容は。



「自分で提案してなんだけど」


「チキン南蛮……わぁぉ、頑張らなくちゃー!」



 揚げ物、しかも鶏肉。


 怜らは、料理についてはほぼほぼ初心者に近いが。


 恋人に食べてもらいたい、かつ、失敗しても自分達が残飯処理すると思えば……嫌いなメニューでない方がいい。


 裕司(ゆうじ)もだが、智也(ともや)についてもこのメニューは好きだとわかっているので選んだ理由もあった。



「……もも肉じゃなくて、むね肉なんだね?」


「前にこもやんがバイト先で作ってくれたけど……脂より噛み応え重視だったのだよ」



 皮をとるかどうかは、作り手の好みらしいが……今回は取り除き、あとで簡単な鶏皮せんべいを作って皐月と飲みをする時のつまみにする。


 肉を繊維が断つように削ぎ切り。


 これは、まだ料理をする皐月が担当。怜はそれにフォークで穴をたくさん空けていく。


 肉の下味などをつけて、揉み込み作業などは意外と楽しく……揚げの部分もまずまずのテンポで取りかかれた。


 揚げ工程については皐月に任せて、怜は甘酢ダレとタルタルソース作り。タレがすぐに出来たので、レンチンで出来るゆで卵を使って……たっぷりマヨネーズと合わせてのタルタルソースを作っていく。



「いい感じじゃない?」


「ひとりよりふたりの方がいいねぇ?」



 合作となったチキン南蛮が出来上がり……その日の昼ご飯兼用だったので、しっかりご飯と味噌汁も用意してから……怜達は手を合わせたのだった。



「「いただきます」」



 カラッと揚がった、鶏肉が甘酢ダレにしっかり絡みつき……かつ、タルタルソースの海に溺れるように皿の中にある。


 裕司ほどではないが、どれほどの仕上がりになったのか。怜と皐月はそれぞれ口にしてみる。



「「うぅ〜〜ん??」」



 まずくはない。しかし、普通に美味しくもない。


 やはり、工程は悪くなくとも……どこかが間違っていたのだろうか。

次回はまた明日〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ