第3話 両家の挨拶
お待たせ致しましたー
「本日は、どうぞよろしくお願い致します」
「こちらこそ」
結局、両家の挨拶は怜達以外は親だけが参加することになり。
場所はお互いの行き来しやすい場所にあった、洋食店の個室を借りることに。料金は、両親同士もだが怜達も折半する形で落ち着いた。
「眞島怜の母と父です」
「小森裕司の父と母です」
怜は、裕司が父親似だと思った。雰囲気もだが、顔もどことなく父親似だと会った瞬間に思ったくらいに。今日は来ていないが、双子の兄は母親似らしい。
挨拶……と言っても、形式が終わった後には……怜の方もだが裕司の母親の方も、はずんだ会話になってしまった。
「まあまあ!! 写真で拝見していましたけど……怜さんがこんなにも可愛らしいお嬢さんだっただなんて!! 裕司? あんた、絶対幸せにしなさいよ!?」
「うちの方こそ、こんなじゃじゃ馬でいいんですか?? 息子さんも凛々しくて素敵で……怜? 裕司さん料理人志望って聞いたけど、あんた相変わらずご飯はからっきしなの??」
「いえいえ! うちの裕司で出来ることがあればなんでも」
「「うふふふ!!」」
父親同士はともかく、母親の方は意気投合してしまったようだ。
悪いことを言っているわけではないが、初対面でここまで意気投合するとは思わなかった。
「まあ、なんだ?」
「お互いがお互い大事なら……父さんは何も言わんよ」
「おや、私もです」
と、父親達も語り出してしまい……料理が来るまで怜と裕司は挟まれる感じでじっとしているしか出来なかった。とりあえずは、SNSのメッセージでやり取りしたが。
『テンション、爆上がりじゃない?』
『うちの母さん達、今日めっちゃ楽しみにしてたから』
『オカン達も……』
『もう、これでいい感じ?』
『俺達メインなのに、置いてけぼりはしゃーない』
『落ち着くまで待つ?』
『飯食った後もこれだったら、そうするか』
それぞれの会話が終わった後に、料理が来てからは和やかな会話には一応なったものの……怜は慣れないフォーマルスタイルのワンピースにソースをこぼさないか……と、半分場違いなことを考えていたのだった。
その心配もなく、両家の挨拶についてはお互いの両親が意気投合して、同棲の許可も無事に降りたことで終わりを迎えた。
両親達は、そこからカラオケに行くと決めて……今日のメインである怜達以上に仲良くなった。
「いや〜……今日、私らの居る意味あった?」
「まあ……不仲になるより、全然いいぜよ」
怜と裕司はのんびりしたいからと……とりあえず、裕司の部屋へ帰ることにした。
次回は16時15分〜




