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【完結】ホテルグルメはまかないさんから  作者: 櫛田こころ
第十六章 小森の場合⑧
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第4話『はじめて、チーズハットグ』

お待たせ致しましたー

 ざっくり調べてみると……スマホには、モッツァレラチーズとフランクフルトの芯に……アメリカンドックのような生地をまとわせて油で揚げる直前、パン粉かハッシュポテトのフレークをかけたりするそうだ。


 味付けはそのままかぶりつくのもいいが、店前でケチャップやハニーマスタード。あと粉砂糖をかけても良いとか。


 裕司(ゆうじ)には、粉砂糖は嫌だとさすがに思った。



「にいちゃん〜!! マイ、これ食べてみたいー!!」



 妹の真衣香(まいか)は興味を持って、兄の秀司(しゅうじ)のコートを掴んでいた。



「ん、いーよ」



 すぐに了承するあたり、やはりそれなりにシスコンだからか。秀司は財布を取り出そうとしていたが、いきなり、裕司に来い来いと手招きしてきた。



「兄貴?」


「俺とかマイは食うにしても、お前とか母さんらどーする? そこそこ時間かかるぽいし」


「……食う」


「自分のは出せ」


「……おい」



 半分くらい感動した瞬間を返せと言いたかったが、今更なのでそれくらいにしておいた。母達も興味があったのか、裕司に父親の分の代金を渡してから他を見に行った。裕司の分がないのは、やはり子は子で親は親だ。


 祖父母達は、昼から重いのは辛いとふたりで適当に買いに出てしまった。



「はーい。お待たせしましたー!」



 揚げたて、出来立てのチーズハットグは……油をよく吸ったホットケーキミックス生地の匂いがすごかった。


 気分的に、裕司はケチャップとハニーマスタード両方をかけてみる。秀司と真衣香はケチャップ。ちょうど戻ってきた両親は、ハニーマスタードだった。



「みょーん!」



 と真衣香が声に出すくらい……芯のモッツァレラチーズのお陰で、食べた箇所からチーズが勢いよく伸びていた。


 味も、アメリカンドックにチーズを足した感じで悪くない。ほのかに甘いが、塩毛が強いので食事向きだ。ハッシュポテトの衣はこの屋台だと希望でつけてもらえるので……比較的安価だった。屋台としてはだが。



((れい)やんも好きそうだなあ?)



 チーズもだが、揚げ物も非常に好きだからだ。


 裕司が時々まかない処で作らせてもらう、三重県名物の津餃子も彼女の大好物だ。向こうに戻ったら、出勤前とかに作ってやろうか考えたが……三ヶ日以降に、あちらの家族と挨拶があるのを思い出した。



(……母さんらが、両家挨拶にしたらいいんじゃって言ったけど)



 むしろ、その方が確実な約束になるのでは。


 裕司はそれくらい、怜が大事だし愛している。昨夜の通話でも、怜もほとんど同じようなことを言ってくれたし……挨拶の直前かどこかで、一度ふたりきりで話そう。


 そのためには、両親にもう一度確認を取ろうと……ハットグを食べ終えてから、母の肩を軽く叩いた。

次回はまた明日〜

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